とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

2019年度も捕獲ゼロ。出猟4回目、5回目(2020年2月)。

2020年1月某日 出猟4回目。

朝7時すぎ出発。

先日下見した林道は入れる箇所が4か所あるが、そのうち1か所は複数個所の土砂崩れと路面崩落、倒木などで通れないため、不確定ながら残り3か所から入れるかどうか、とりあえず行ってみることにした。

1か所目は土砂崩落のため通行止め。
2か所目は入れたが道がかなり荒れてて、轍と泥が深い場所があった。
誰か先行して通った人がいて、太い倒木が切断されてる箇所が複数あるが、それでも先日の雨で再度崩れてきた5~10cmくらいの細い倒木が何本かあり、高さがあるものはフロントガラスの高さくらい、他にもカーブのところで葉っぱの陰から中途半端にホイールの上部くらいの高さで飛び出したりしてるのもあって、どれもノコギリで切って小さくしてから持ち上げて再度、路面に転がらない場所によけて通る。
バイクの人も通るだろし。

その後は、崩れそうな場所はあるけどなんとか通れた。
あとでわかるが、入れるかわからなかったうち3か所目の方が片づけられていて出入りが楽だったため、帰りはそちらから帰った。

目標地点近くに車を止めたのが10時過ぎ。車を止める脇も枝葉と倒木と泥いっぱいだったので、それも撤去してから駐車。これ以上だとチェーンソーとかいりそう。
意外と土木作業に時間を取られた。
朝飯を食って着替えて10時50分行動開始。

先日、鹿の警戒声を聞いた尾根を目指して、車から見て西側の斜面からトラバース開始。
かなり遠くから銃声のような音が断続的に聞こえるが、定期的なので遠くの果樹園や畑などの鳥威しかも。

目的の尾根が見える場所に行くも気配なし。
時間的にどこかで昼寝か。
本日は縁なし。

銃カバーをつけて林道に出て林道沿いに鹿の気配を探す。
林道上にも泥に新しめの足跡があり、シカや狸の足跡があった。
いることはいるけど、見つけられてないのだろう。

地図ではなだらかな地形がありそうな南側の何ヵ所かを林道脇から双眼鏡で見るが鹿の気配なし(見つけられてないだけと思う)。

途中でリフトアップしたジムニーとすれ違う。
雰囲気的にハンターではない感じ。

一旦、車まで戻って休憩し、車から見て東側の林に入ると斜面からガサガサ音、しかし鹿では無さそう。
少し離れた急な斜面がある谷の方から、プギーという豚っぽい声が時々聞こえるが、姿は見えず。
養豚場とかはなかったような・・・イノシシかな。
これまで足跡は何回か見ても、イノシシには出会う機会がなかったので、よくわからず。

こちらも鹿の痕跡はあるが、少し前のものかも。
尾根沿いに下ってみるも出会いなし、銃カバーをつけて林道に出て林道脇から鹿を探して下るも14時を過ぎて時間切れ。
途中、丸太っぽいが違うような気がするものをしばらく双眼鏡で観察するが、距離があるのでいまいちわからず。
この微妙なところで双眼鏡のお値段の差が出る。

切り上げて車に戻り、着替えて帰宅。


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2020年2月某日 快晴。 出猟5回目。

6時半起床。
7時5分くらいに出発。

本日の目標地点に向かう。場所は4回目と同じ。
山も相変わらず荒れてはいるが、これまで下見した中では山の中が一番マシな状態だったのと、シカの痕跡があったため。

針葉樹の刈り払いを行ったらしく、大量の枝が林道に散乱してる。
重機で運んだあともある。

途中、先日の雨で斜面から流れ出たような感じで高さ40cmくらいの土砂で盛り上がりになっていた。

ギリギリ通れるくらいまでスコップで道路わきに片づけ、泥の上に乗っていた細い倒木はやはり通れるようにノコギリで切断して片づける。
えっちらおっちら作業して1時間弱くらいかかった。

先日と同じ場所に車を止めて、着替えて準備して出発したのが10時半。

車から徒歩でしばらく林道を移動して、まだ行ったことがない場所に向かって斜面から林に入り、本日の目標地点まで移動。

しばらく尾根に向けて登っていくと、藪が濃い方からガサゴソ音がして、すぐに口笛が聞こえる。
他のハンターかと思って大きな声で返事をする(人間ですよ!!アピール)。

濃い藪の向こうから出てきたのはハイカーだった。
聞くと荒れた山を藪漕ぎしながらも何キロか歩いてきたっぽい。よくやりますね(人のことは言えない)。

念のため、こちらが向かってる方向を伝えて確認し、もし同じ方に向かいそうだったら予定を変更して場所を変えようと思ったところ、もう降りる模様で少し世間話をして挨拶をして別れる。

基本的に競合する場合は当方から譲る方針。
どこぞで聞くような「狩猟してるんだから危ないから出ていけ」とかは絶対やりません。

尾根に登って目標地点に向かう途中、尾根から北側の斜面に降りるとシカの寝屋がいくつかあり、糞も古いがいくつも痕跡がある。人の痕跡はない。

やはり南側が荒れてるので北側にも寝屋を作ってるのか、今年は気温が高いから北側にいるのか、それともいつもこうなのか、この辺の事情は今年が初めての地域なのでよくわからない。
でも、昨年まで行ってた場所とは明らかに違う行動様式がある。

斜面にも、これもたぶん寝屋かなぁ・・・というのもあった。
伐採された木の斜面上側に針葉樹の枝葉を集めて作ったような感じでそこだけ落ち込んで深く丸くなってる。真上から見るとサイズは直径40cmくらい?
こういう寝屋の作り方もあるのかな。雪が降る地域だと上り下りが大変になるので、少なくとも冬はこういう場所にあまり作らないもんね。

周辺は鹿の痕跡が中心なので、たぶん鹿なんだろうけど・・・。
写真だとわかりにくいけど、真上からだと、写真の見た目より大きく、深さもある。


確かにこの作りだと北側からの風は木で防げて、枝葉で囲まれてて暖かく寝られそう。木が支えになるから斜面を滑る心配もないし。

さらに目的地に向かって先を進むと、地図で見るより思ったより険しい地形で、進むほど両脇が崖に近い急斜面になっていく感じだったので、自分の山の経験などを考えて安全のため撤退を決める。動物が頻繁に往来してる雰囲気で続いてはいるけど。
万一、この先で獲れたとしても、ここをひっぱって倒木を何本も超えて安全に戻る自信がない。

銃カバーをして林道まで戻り、林道沿いに歩くも今日は昼近くでも鳥は鳴いているがシカのガサガサする音もピーッ、ピャッとかの警戒音もうんもすんもない。
本日も出会いなし。

この冬は暖かいというか昼は暑いくらいのことが多いので、電子イヤーマフもズラして素耳で聞いて行動してる(獲物を見つけてもイヤーマフをするのが間に合わない可能性はあるが、何しろイヤーマフがびしょびしょになるほど暑い・・・)。

林道の泥の上に先日の雨以降についたと思われる新しい感じのシカの足跡が複数あるので、いることはいるようだが・・・。早朝に来れれば会えそうな雰囲気はある。
この足跡も少しだけ追跡して山の中に入っていくルートも確認だけした。


今期、シカの目撃がゼロ。声だけ聴くというのはちょっと悲しい。
粘ったが14時を回ってきたので撤収。

結局、この後以降は所用でタイミングが取れなくて出猟できず、2019年度最後の出猟になった。

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