とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

延長期間に下見と出猟の記録と徒然(2018年3月上旬)

今年は終わりといいつつ、延長期間に3回ほど出猟してきました。
結果は当然獲れませんでしたが・・・。

私が狩猟者登録した都道府県は同じ都道府県内でも鹿のみ可の銃猟の期間を延長している自治体が決まっていたので、スマホGPSやジオグラフィカ(アプリ)、鳥獣保護区の情報を重ねたグーグルのマイマップ、紙のハンターマップなどで何重にも銃禁や鳥獣保護区その他を念入りに確認、チェックして、狩猟するエリアを絶対に間違えないように、位置情報も定期的に確認しながらの行動でした。
特にきわどいという境界ギリギリでやっているわけではないのですが、確認の癖をつけようという感じです。

今回、全く会えないかもと思っていたら延長期間の出猟3回のうち、2回は鹿に遭遇できたので良かったなと思います。
糞など存在してる痕跡はあっても本当に本体が付近に存在してるかすらわからないと、やはり意欲に影響が出ます。

おまけとしては(獲れませんが)、鹿探索の途中に無警戒のヤマドリのメスにも会いました。
少し高くなった土壁の上、直線で3メートルの距離から逃げないんですけど
「それ、ちょっと野生としては駄目じゃないの?」とか話しかけました。

さて、猟場候補探しですが、これはグーグルの航空写真や国土地理院の地図で目星をつけて、「たぶん、こういうところにいるのかな、いればいいな」と思って行ったところに行って糞や足跡、食跡など痕跡を探します。無ければ別の候補地へ移動します。
この方法で見つけた場所で出会えました。

逆にそのエリアに、古いのから新しそうなのまで、数百メートルの範囲に30cm~2メートルおきに鹿の糞がたくさんある場所で、さらに素人目ながら、10~20cmの積雪があるところでここだけ雪が丸く溶けて地面が出ていて「ここで寝てるのでは?」という感じの場所まであるのに周辺で全く影も形も遭遇できないこともあり(実はいるけど見えてない可能性の方が高いですが)、鳴き声さえも聞こえなかったので、たぶん私が何かを間違っているのでしょう。ベテランになれることがあれば、この文章を見てニヨニヨしたいと思います。

延長期間中の遭遇については、グーグル先生の地図上の計測ですが、1回は直線で17メートルほど、もう1回は62メートルほどでの遭遇だったので(いずれもダッシュされてから存在に気づいた)、来期の教訓を得られました。

山に入っての地形等の下見のために猟装に着替えようと車から降りたところで警戒音のみが聞こえて、「どこにいるかわからないが、この周辺にいる」という場所も発見。

約17メートルでの遭遇は雪解けの水が流れる音が結構する沢沿いの林道を下見するつもりで、車でノンビリと登ってきた時に、林道の脇の地形の盛り上がりの陰になっている先のちょっとした平地で林道の両側の木が切り倒されて少し開けている場所があり、その脇を上流から沢が林道と並行して流れているような場所です。

ちょうどいいスペースがあるから車を止めようと思ってふと左に顔を向けると、メスと思われる鹿が驚いてそこから林の中へダッシュしていくのを発見。

当日は朝早くから既に別の場所で山に入って3時間ほど歩くも、鹿の実体の気配を感じることができず、午前11時前には切り上げて、昼飯を食べてから新しい候補地の下見をしようと行動していました。

午前中、出猟していたので装備は積んでいるわけですが、既に服も非狩猟モードの服に着替えて完全に下見モードであり、まさか遭遇すると思っていなかったので、何も用意しておらず。

「まあどうせ逃げちゃってるだろうが、とりあえず地形などの下見をかねて林に入ってみよう」
と鹿が逃げた場所から林道を挟んだ反対側のスペースに車を止めて、20分ほどかけて、ゆっくりと猟装に着替えつつコーヒーも飲んだりして、一応、カバーをかけた銃と弾と双眼鏡その他装備を持って、徒歩で車を置いた場所から100メートルほど林道を下ったところ(土の盛り上がりがあって、鹿が逃げていった場所あたりからは見えないと思われる場所)から、銃カバーを外して鹿が入っていった林の中へ入りました(一応、追いかけてるつもり)。

静かに林に入ってすぐ「忍び猟ゴッコ」的に木の陰に入ってジッとしていると物音や鳴き声などは聞こえず。
「(やっぱり逃げたよなぁ・・あんなにゆっくり丸見えで用意してたし)」
と思ってガサゴソと動き始めたら、ピーッ!という警戒音。
「(え?まだいたの?!)」

ハンターがあまり来ない場所なのか、林業の人がしょっちゅう来るので人との遭遇に慣れているのか、逃げてない。

ゆっくり木の陰から木の陰へ移動しつつ、じっとしては双眼鏡でゆっくり周辺を見渡してみるが何も見えない。
向こうからは見えてるのか、定期的に警戒音を出してる。
林に入って、たぶん10分以上は鳴かれているのにどこにいるか全くわからず
「鹿はスゴイな」
とか考えつつ、ゆっくりと移動してる間に、そのうちさすがに声も聞こえなくなったので斜面を登ってみて、尾根の方に上がり、周辺を散策して地形を把握して追跡断念。

尾根に上がって、さっき自分がいた場所を見てみると丸見えである。
やはり向こうからは見えていたんでしょうね、と素人丸出しのことを書きます。

尾根までは斜面も含めてよく手入れされた杉林。
尾根から向こう側は藪になっていてなだらかに下る台地っぽくも見えるが先が見えない。

地形不明、さらに数百メートル先に住宅もある方角なのでどうせ撃てないため、ちょっと入る気になれず。
手入れされた場所側の方をウロウロし、バックストップや林道の位置、方角などを確認して車に戻って昼飯を食べてから、車で移動して周辺の林道をいくつか入ってみて散策。

4日後に同じ場所を目指して300メートルほど離れた林道わきの駐車できそうなスペース(4日前に鹿がいた場所からは小高い地形があって見えず、沢の水音で物音も聞こえにくい感じ)に車を止めて、林の中から2時間ほどかけて忍んでいったところ・・・残念ながら開けた場所にも自分がいる方の斜面にもいなかった。

「2時間かけて移動したのに・・」
とガッカリして
「やれやれ、少し早いけど昼飯でも食うか・・・」とか独り言を言いながら斜面を忍ばずに盛大にガサゴソと音を立てて降りて、あと数メートルほどで林道に出るので立ち止まって、ポケットから出した銃カバーを付けながらモソモソとしていたところで、ふと顔を上げると向かい側の斜面に動くものが。

自分がいた斜面からは木や枝葉の陰で全く見えず、完全にノーチェックだった向かい側の斜面(伐採してあって木も藪もほとんどない斜面)を鹿がダッシュで登っていくのを発見。

4日前の感じだと付近にしばらくいたので、もしかしたらいてくれないかなと思って、林道を渡り、銃カバーを外して、林道に沿って流れる沢(浅い)を渡って、少し離れた斜面(林道に並行した沢に流れ込むチョロチョロした流れの沢があるちょっとしたV字谷っぽい地形)から回り込んで静かに登って1時間ほどかけて周辺を探してみた。

鹿が上がっていったところが見える場所にも登ってみて、双眼鏡で周辺を見てみるが、(当然のように)どこにいるかわからず。警戒音も聞こえず。撤収。
2回ともたぶんメスだと思いますが、4日前に見た個体より小さくて別の個体だと思われます。

この感じだと、鹿の方は林から来ていた私が当初は見えてなかった可能性があり、慎重に斜面を下って探索を続ければチャンスはあったかもしれないということで、非常にガッカリに加えてのガッカリ。

というわけで、今季は諸事情で数回だけの出猟でしたが、初猟期で初めての忍び猟、結構楽しかったです。

一人だといつ行くかいつ帰るかも自由というのがいいですし、天気が良い日の静かな、よく手入れされている山はダニを除けば居心地はよく、見晴らしがよい場所も見つけたりできました。

一方で事故があると一人ではどうしようもなかったり、転落した場合等、ケガをしても近くに誰もいないというリスクの高さもありますので、事前に地形を慎重に確認したり、地図や無線機を持ったり、スマホの電波の状況を確認したり(出猟の時はGPSで測定している私の(というかスマホの)位置情報を家族と共有しています)のリスク管理は重要だなと感じました。

あと、沢を渡っている記述をしていますが、沢は雨での増水等で周辺の土を削った跡もあったので、雨が降った後や天気が悪い時、雨が上流で降ってそうな時は渡るのは控えた方がいい地形だなと思いつつ、前日や当日の天候、水量などを鑑みて自己責任で渡っています。来たところが増水等で渡れなくなった場合のバックアップの経路も考えていました。

さて、一人も楽しかったですが、早く仲間を作らないとなとも実感しました。

あと、ちゃんと実際に獲れたという経験を積んでいかないと、将来的に駆除に参加するにも支障が出そうなので、出猟そのものやソロも楽しみつつ、今後どうするか考えていきたいと思います。

今季の教訓としては、「まあ、いないだろうな・・・」、「やはり、初心者がそんな簡単に遭遇できるはずがない・・・」とか油断してる時に遭遇しているので、もう少し精神的な粘り強さと、獲物への執着のような気持ちは身につけないとダメかなと思いました。
(一方では執着心が事故につながることもあるので、難しいですが)

ただ、とりあえず鹿に遭遇できることはわかった(いることはわかった)ので、来期、また同じ都道府県で登録するなら頑張ってみたいです。

以上、雑多ですが、今回の猟期延長期間の記録と徒然でした。