2018年2月上旬。
通常の猟期が終わるというのに、銃を持っての実質の初出猟。
登録した県からは、出猟時の記録を提出するように指示が出ているが、書ける内容が1行だけになった。
鉄砲もナイフも持ってない山の下見は登山やハイキングであって、狩猟じゃないですよね・・・。
鉄砲を持って下見に行くと、行きも帰りもどこにも寄れなくて不便なので、ずっと持って行ってませんでした。温泉とかも入れないし。
初出猟では装弾は5発(スラッグ)のみ持参、携帯。
法的に車に置きっぱなしにできないので、必要な分だけ持参。
結果から書くと、初出猟では当然のように獲れなかった。
今回、初出猟で来た県は一部の動物で3月15日まで延長期間があるが、今年はもう無理そうだなと思う。
ただ、今回、初めて「ああ、苦節?1年半くらいでやっと銃を持って狩猟しようとしてるんだな」と思ったのは、下見ではずっと足跡とフンしか見れなかったシカをスタート直後に見つけたこと(見つけたが逃げて行った)。
同じく、この場所の下見では見かけなかった山鳥もみかけた。
こちらも、当日は散弾を所持しておらず、見送るだけ。
いずれも、白いお尻と長い尻尾での歓迎ありがとうございました。
鹿にもヤマドリにも逃げられたが、newbieながら下調べは間違っていなかったということで安心した。
来期につながるかなというあたり。
気温はマイナス2度~プラス3度ほど。
天気は快晴。
雪は2-3cm積もっているところと、太陽が当たってすっかり溶けている場所がある針葉樹林帯、同じような雪が積もっているところと溶けている場所がある環境の広葉樹の混在している某県の山の中。今年は日本海側は雪が多かったが、太平洋側は雪が少ないそう。
念のため、今回のツアーでは狩猟の拠点になる家まで持ってきた荷物の中にカンジキも用意してきたが出番なし。
数日前の下見からも、さらにだいぶ雪が解けていた。
他にも何か所か回っていたのだが、今回は過去2回、地形や動物の痕跡、通行車両や民家等の有無、他の狩猟者の動向など数時間の下見をして、一番痕跡が多かった場所付近にて行動開始。
平地から林道を登って頂上付近の駐車できるスペースに車を止めて狩猟。
雪はここ数日の天気で雪は解けていたが、カーブなどで一部凍結していて、
勾配が15%の場所も2か所くらいあり、スタッドレスでも滑るので、上る前に4駆の駆動輪にチェーンをつけた方がいいという場所。
4駆の軽自動車なので登れたが、後から普通車のSUV(地元の人はエクストレイルと言っていた)が登ろうとして引き返してきたという条件の坂。
春~秋は峠越えの道なので、車もすれ違える幅がある道路なのだが、登ってくる車は下見を通して誰もいなかった。
最初の下見時点でも、直前の雪が降る前に、その前の雪の後に通過したっぽい何台かの通過した轍はあったが、山の方は人の足跡は一切なし。
あとで、地元の人と話した時に「こんな時期にこの道路を登っていくなんて、馬鹿だなぁ」と話していたとのこと。
実際、途中で側溝に落ちたりでハマったら助けてもらえるか微妙な場所。
午前9時過ぎ、車で坂を上ってきて駐車する予定のスペースの手前30メートルくらいの進行方向右側(北側)急斜面でメスの若い鹿と思われる鹿がいて、車に驚いて逃げるのを目撃。
ただし、急斜面のため撃っても下に転がると回収が非常に困難な場所
この後、車を置いて猟装に着替えて銃を持ってから再度向かうとまだいた。
警戒心が薄め。
山の地形の盛り上がりを切り崩して作った感じの道路脇の土壁で音が聞こえにくいのかこちらが、土壁の横から姿を見せたところ、慌てて白いおしりを見せて逃げた。距離10メートル以内くらい。
これを思い出しながら書いていて、あの時は後から歩いた地形を回り込んで林道を跨ぎ、さらに移動して少し高いところから狙ったらよかったのかも。
当日は、まさかまだいると思ってなかったのと、路上を歩いてきて林道を外れた直後なので、銃カバーもつけっぱなし、弾も取り出しておらず余裕で逃げられる。
その後に3回目もいないかと、別の尾根に歩いて移動する途中に通り過ぎてみたが、さすがにいなかった。
この斜面と同じ場所に沿って10メートルほど林道沿いに下ったところでヤマドリの雄がダッシュで逃げるのを見かけた。
先に書いた通り、装弾もスラッグしかもっていなかったので、ただ見送る。
10時を過ぎたあたりから、鳥以外の生き物自体を見なくなった(マダニは多数いるが)。
結局、この日は最初の鹿とヤマドリを目撃したのみ。
とにかくこのあたりは鹿のトイレかというほど大量に鹿の足跡やフンがあるが、夜明け前後の早朝に来た方がいいと思われる。
少し歩いただけでバテる。
ハンティングする以前の話であり、生活習慣と体力から改善しないとダメだと思い知らされる。
この日は南側から北側に向けて尾根を越えてずっと風が吹いていたので、朝に鹿が一度逃げたのに、また同じ場所の北側の斜面の(林道から見て)土壁の裏ににいたのは、角度の関係から日が当たる場所で、風をよけるためかもしれない。
南側の方にある杉林の中にも大量に鹿のフンと足跡はあったが、この日は警戒音を含めて全く逃げる鹿にすら合わなかった。
いや、いたのかもしれないが全く分からなかった。
ゆっくりだが、5歩とか移動してるからダメなのかと思って、30分ほど南側の斜面の木の横にあった岩に座って隠れてじっとしてみたが、ポカポカして眠いだけで風で木が揺れる音と、鳥の声だけ聞こえる。
ここも足元も鹿のフンがたくさんある。
次は風向きから鹿がいそうな場所を検討した方がいいかもしれないなどと考える。
当日の服装について。
下は狩猟用のブローニングの厚手のブレイズオレンジのビブパンツ。
寒いところでじっと待ち伏せすることを想定して履いてきた。
これは林の中を歩いていると膝下~太もも付近まで黒ゴマか胡椒のフリカケのごとく大量についてくるマダニが目立つ色で、手で払えばだいたいは落ちる。
その中には中国から買ったマイナス25度でも使えるという羊毛混紡の厚手のズボン下。
この組み合わせのおかげで、強風ではないが風がずっと吹いている北側の日陰でじっとしても全く寒くなかった。
上着は最初、狩猟用の中国から買ったオレンジ迷彩のジャケットと、その下にデカトロンで買ったオレンジ色のダウンを着ていたが、移動中や日向でじっとしていると暑すぎて汗をかいてきたので脱いで、その後は気温が3度くらいに上がってきたので、このまま行動した。
ただ、ダウンを脱いだ状態で少しの時間、じっとして風に当たると少し寒い。
上の装備は改良が必要と感じた。
服の下の下着は綿のトランクス、上の下着はスポーツ用タンクトップ、スポーツ用Tシャツ、腹巻、その上にデカトロンの550円の起毛でない青いフリース。
綿のトランクスでないのも持ってきたが、ズボン下もスポーツ用素材ではなく、どうせ水分を吸い取って蒸発させるものでもないので・・・こちらも改良検討。
首回りが風で寒いので、行動を開始して30分ほどしてから、同じく中国から買ったオレンジのフリースネックウォームを装着。
これは、買ってよかった。このおかげで温かく行動できた。
このネックウォーマーは口までかぶせると白い息や呼吸音を隠せていいかも。
汗を吸い取って蒸発させるのか、この日はビショビショにもならず冷えもせず。
前に下見した時は風が吹いておらず、寒くなかったので使っていなかった。
耳には「防寒」兼「収音」兼「射撃時の聴覚保護」のため電子イヤーマフをつけていた。
イヤーマフがないと耳が冷たくて痛くなる。
しかし、寒いからと言ってフードをかぶれば音も視界も遮られる。
電子イヤーマフ自体はこの寒さでも数時間は電池がなくならずに稼働していた。
靴はスパイク付き長靴(丸五のマジカルスパイク)だが、中に普通の春秋用の靴下だけだと足が冷たくなる感じなので、モノタロウで買った厚手の冬用二股靴下をはいた。
これでも冷える感じがしたので、途中からスウェットスーツ素材の保温靴下を重ねてはいたが、これは水を吸ってグチャグチャになるので、かえって履かない方がいいかも。
少し疲れていたのか、左側は厚手靴下の上から、右側は直にスウェットスーツ素材の靴下をはいてしまい右側だけグチャグチャに、期せずしてテストになったが、左側は靴下が水分を吸って湿った程度に。
1時間ほど行動してグチャグチャになった右側だけ冷たさを感じた。
帽子は猟友会の帽子。最初は帽子の内側に取り付けられる簡易ヘルメットをつけていたが、汗だくになり、簡易ヘルメットは外した。
この状態でも上も下も下着は湿った感触はずっとなかった。快適。
腰回りはオレンジのベルトにモーラナイフ、革製弾差し、剪定はさみを入れた青い小型軽量ポーチ。
バックパックがなくても水をぶら下げて補給する工夫を考えないといけない。
この辺はイノシシはおらず、鹿だけを想定していたので大型ナイフは持ってこなかった。熊対策としては持参した方がマシかもしれないが・・・。
ナイフ以前に体力を鍛えないと話にならない。
猟友会ベストには許可証類、スマホ、タオル、左胸に3発だけスラッグ装弾を入れたが、今期から配られ始めた猟友会の新しいベストのポケットはマジックテープで開けるときにバリバリと結構な音がするので何か工夫が必要。
古い方の服がどうなっているのかは使ったことがないのでわからない。
腰の弾差しに2発で計5発を持参。事前の下見で熊っぽい大き目の足跡もあったので念のため多めに。
ちなみに、イノシシやシカの足跡より明らかに大きく、かつ、人ほどでもない大きめの丸めの足跡の痕跡って・・・写真を撮ったつもりがスマホのシャッターが切れてなかった。
地元の人からの情報でも、今年は雪が少ないので冬眠しないのがいるのか、熊らしき痕跡やフンが見つかったという話を聞いていたので、一応警戒してみた。
オレンジのビブパンツの左尻のポケットには、外した銃カバーを入れた。
銃(約3.3kg)と装弾5発(0.2kg)重いバックパック等(双眼鏡、測距計、無線機の予備電池、スマホ用のモバイルバッテリー、食料、水、ロープ、ファーストエイド、その他で2~3kgくらい)を持っての斜面の上り下りがきつく、11時頃から車に戻って財布と鍵など貴重品を抜いてベストの下のオレンジ迷彩ジャケットのポケットに入れて、バックパックは置いてから水分補給して再度、行動開始。
バックパックを置いてしまったので車に戻れる位置での狩猟が前提。
手袋は最初は厚手のものをしていたが、確かに寒くはないが林の中で枝をつかんだり、細かい作業にむいていない。結局いちいち外すことになったのと、気温が上がってきて暑くなったので車に外しておいてきた。
でも、将来、巻き狩りに参加する場合は、待機時はつけておいてもいいかも。
代わりに掌がゴムになっている作業用手袋をつけたが、汗をかくと手の甲が冷たいので、これも何か対策が必要か。
昼は車に戻って水とカロリーメイト1箱。朝かなり多めに食べたので体が持ったのと、
お湯を沸かす装備もあったが、登山道や林道を除いては子供のころ以来の山歩きに疲れて面倒くさくてこの内容に。
今回、駐車した場所はちょっとした展望スペース(遠くの景色が見える)があるので、冬は葉っぱなどが積もって荒れてはいるが一応、オープンなトイレとベンチがあるのがいい。
次はちゃんと食事を持ってくる。
行きかえりの銃は細く長い銃バッグに入れたが、革スリングとオレンジの手製銃カバーをつけていれるとサイズギリギリだった。
途中でガソリンスタンドに寄ったが、これにバックパックに入れた装弾も持つので、やはり目立って注目される。
移動中はオレンジ猟装ではなく、フリース付きのズボン、上はデカトロンの550円の起毛でない青いフリース。
その他。
銃はベネリ・スーパーノヴァの方を持参。
20インチにしてよかった。木や枝がある中で取り回しが良く、銃身が邪魔にならない。
ただ、今回来た場所、針葉樹の場所は意外と遠くまで見えるのでやっぱりスコープかドットサイトがいるかもとか、ちょっと考えました。
まあ、一度も撃つ機会がありませんでしたから、来年以降、実際に撃ってから考えるつもりです。
その他、車に乗せた装備。
狩猟道具一式、ロープ、農業用フネ、スコップ、タイヤチェーン等。
課題。
・2018年の猟期に向けての目標。1に体力、2に体力。
・帰りのマダニ対策。
できるだけ振り落としてから、1つ1つの服を45Lごみ袋に入れてフマキラーのマダニに使える殺虫剤を吹き込んで密閉して、家に帰ってすぐに洗濯したが、干しているときにオレンジのビブパンツに生きたマダニを発見。車でも後部座席を畳んだ上のブルーシートに1匹発見。
やはり軽トラなどが必要か。家でも外で洗って外に干すなど対策を考えないといけない。
現地で身内から4駆の軽トラを借りられるつもりでいたら、4駆でなかったので借りなかった。
実際、今回行った場所の坂は上れなかったと思う。
・猟期前半時期は親戚関連の手伝いやら、正月明けまで続く酷い風邪やら、何かと私事で忙しい11月~年末年始。
人の生死関連イベントの方は仕方ないことだが、風邪についてはもう少し体を鍛えてなんとかしないと。
追記:
無線機の話を書いてなかった。使用周波数は144MHz帯。
使用機種はパターンカット等をして保証認定を取った例のアレです。感度良好。
当日ほとんど同じ場所に行くということで、前にこの周辺を案内してもらった人と朝に合流して各自の車で一緒に現地に向かったが、私が狩猟中は案内してくれた人は自分の用事で2~3km離れた山の麓の方におり、その間の移動中や狩猟中の会話はアマチュア無線のハンディ機で行った。帰りに合流して猟の話やら山の状況を伝える。
イヤホンマイクを買っておいてよかった。無線機便利。
鉄砲と荷物を持っているのでいちいち無線機をポケットから出していられない。
今回はイヤホンを付けた上から電子イヤーマフをつけ、マイクはケーブルの途中にあり、クリップで襟元に止めておいた。頻繁なやり取りではないので、話をする時はVOX機能は使わずマイクのPTTボタンを押して通話。
もう少し電子イヤーマフと無線機をうまく使えるやり方も検討しないとダメかなと思う(ケーブルの処理など含めて、より便利な方法を検討)。