とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

今猟期2クール目出猟(2019年1月中旬~下旬)

出猟1日目。
1月中旬某日。
日の出直後からこれまで何度か行っている伐採地付近で探索開始。

前回、下見の時に伐採地の見通しが良い真正面から普通に登って、普通に鹿に見つかったので、鹿がいた尾根上から死角になっていそうな方から別の斜面を登り、尾根沿いを遠回りして昼寝場所の「裏口」から鹿が寝ていた場所へ近づいてみることにした。

この伐採地の尾根はU字型に張り出す形になっていて鹿が寝ていた場所とは繋がっており、このU字の尾根全体に鹿の糞や足跡がある。

※紫線が前回、鹿に見つかったルート。
※赤線は今回の少し遠回りルート。
※ピンクの線が鹿2頭が走ったルート。
※図は当方の画力その他の問題もあり、距離やら位置関係は面倒くさくて適・・大人の事情でデフォルメされてます。

伐採されているので見通しが良く、日当りも良いので冬の時期の風が無い昼間は鹿にとっては居心地がいいのかもしれない。
下草が無いのでダニもいないし。鹿でなくても正直、そよ風と日差しがある日は気持ちがいいなと思う。
ここの尾根を下ればすぐに2か所の沢もあり、水を飲むにも便利な場所だと思われる。
(ダニと言えば、今年は前の猟期と比べると相変わらずダニは少ない感じ。原因は不明。)

周辺を警戒しつつ遠回りするために別の方向から尾根まで登る。

尾根に上ってから伐採地に残っている藪の影からそっと頭を出すと鹿が寝てた場所が見える。でも双眼鏡で見る限りは何もいない感じ(に見える)。

ちなみに、なんでこうやって回り込もうとしてるかというと、これまでの少ない経験の中で、鹿もどうやら「あの方角から外敵が来やすいんだよなー」という集中して気にしてる方向がある感じがして(気のせいかもしれない)、その警戒されている方角を外し、鹿がそれほど意識していないと思われる方角から近づくと、通常は圧倒的に先に鹿に見つかって逃げられるのに、変なところからこちらが登場すると一瞬「え!?」って感じで驚いてるように見えたから。

遠くを走って白いお尻のチラ見しか見れない状況が、全身が見える程度までは近づけるイメージです。

さて、この尾根上の足元を見ると尾根沿いに鹿の足跡が続いてて、足跡も比較的新しく見える。

やはり、この付近にいることはいるっぽい。
途切れつつも続いてる足跡をずっと追ってみる。

水平にただなだらかというわけでもなく、登りもあるので、途中で景色を眺めて軽食とお茶など飲んで休憩もしつつ、鹿が3頭寝てた場所の尾根に繋がる「裏口」付近に到着。

付近の切株に座り、静かにしてぼーっと景色を眺めつつ座って待ってみたが何も来ない。周辺も動きはない。
前回寝ていた場所の方も双眼鏡で暫く見張っていたが、やはりいない模様。

まだ時間帯も早いし、鹿がいないので、そのまま行ったことがない付近の尾根にも探査に向かうことにする。
この日当りがいい伐採地で昼寝をするとしても、もう少し後の時間だろうし(と勝手に思い込む)。

向かおうとしている尾根は国土地理院の地図上だと「裏口」付近から繋がっている表記になっていて、「裏口」からだと一度、谷に下りずに比較的なだらかな尾根伝いに行けるし、せっかくここまで上がってきたから楽ちんに行けるということで行くことに。

普段、着替えて狩猟の準備をしている林道の峠の近くからもこの方面に続く林業で使う道と思われるものがあるのだが、途中で切り立った崖になっていて切れてるので行きづらかった場所だった。
崖の先はまたなだらかで広めの尾根になっている。

人間が入りづらいということは鹿がいそうだなと目星はつけていたのだが、いくのも戻るのも大変そうなので行ってなかった。。

「裏口」から軽く藪が100メートルほどの間に茂っている針葉樹林帯を獣道をたどりつつ突っ切る。

藪を抜けると松などが生えているが藪や下草が少ない場所に出て、利用頻度が高そうな獣道を見つけた。
獣道は何か所か枝分かれしているが、スマホGPSの位置情報と国土地理院の地図を見ながら目標の尾根方面に向かってる獣道をたどる。
途中、鹿の糞もところどころにある。

獣道を暫く行くと50メートルくらい先の木立の中を白いものがすごい早さで移動するのが見えた。

あまりに動きが速いのと、自分の位置からだと木立の少し高い位置を移動しているように見えたので、なんだろ?鳥?などと思って、双眼鏡で見ようとしたら、白いものが「飛んで行った」方から続けて「ピーッ」という警戒音。
よく見ると鹿の尻だった。

木立や枝葉等でわかりにくく近づいてからわかったが、少し先は別方向から続く谷から緩やかに登るような地形になっていて、鹿は自分がいた場所から見ると傾斜が緩い谷を挟んで反対の斜面の少し高い所を水平方向に走っていたので、一瞬、木々の少し高いところを飛んでるように見えたようだ。
この地形は事前に地形図で見ていたはずなのに失念していた。

獣道を走って、なだらかな谷を越え、斜面を登ってダッシュで少し追いかけてみたが見失った。滝汗。

諦めて元の経路に戻り、そのまま目標の尾根に先ほどの獣道沿いに向かうと、鹿の寝屋が集まっていた。
冬はこの辺まであまり人が入ってこないので、集まっているのかも。

いくつもある倒木や立木の影などに丸く落ち葉が無くなっている場所が何か所もあり、鹿の糞も多数ある。

今年は雪がなく暖かいので、こうやって少し奥の方にいるのかもと思った。
奥と言っても付近の林道から数百メートル未満程度。

周辺の地形をチェックして、また「裏口」の尾根に戻ることにした。

本日は(「も」)鹿さんとはご縁がない模様。
2クール目の初日でもあることだし、さきほどのダッシュ疲労していて、時間も昼に近くなってきたので、ゆっくりと戻ることにする。
10kgを担いで斜面を走れるように体力鍛えないと(または安全装備は入れつつも荷物を軽量化するか)。

「裏口」と勝手に呼んでる伐採地の尾根近くに戻ると「裏口」にたどり着く手前の森というか林から出る前から、これから行く伐採地の尾根の上に伐採されずに残った数少ない立木に止まったカラスが鳴いている。
近くに何かがいる時の鳴き方のように聞こえる(気のせいかも)。

自分が歩いてる時もたまにこうやって、こちらの位置を周りの動物たち?に教えてくれてる(ヤメテ!、と思うが仕方ない)

こっちはまだ林の中で見えてないと思うんだが・・・。なんかいるのだろうか?
それとも自分が歩く音に反応してですか?

そういえば、前もこうやって疲れて歩きながら、鹿がいないから帰ろう・・・と適当にガッサガッサと音を立てて歩いてる時に鹿が出たなぁ・・・などと考えつつ、一応、前の事例を教訓に手には2発だけ弾を持って何時でも込められるようにしつつ歩く(今回は気持ちだけ少し音を立てない歩き方だが、早く戻りたいので結構スタスタと)。

鳴いていたカラスは自分が近づいてきたら別の木に飛んで行ってまた鳴いてる。
この辺ではだいたい10時を過ぎるとエサ場から戻ってきたカラスにこうやって鳴かれる気がする。

そのまま前に鹿が3頭寝てた尾根を通ってから、斜面を降りて車まで戻ろうと思って歩いている途中、3頭が寝てた場所あたりからふと右の方を見ると朝に自分が登ってきた尾根と今いる場所の間にある別の尾根の斜面に動くものが!

どんどん登りつつ警戒音を出すメス鹿二頭。

すごい、こんな撃ちやすそうな状況は初めてだと素直に思う。
バックストップはばっちり、極端な撃ち下ろしでも撃ち上げでもなく、尾根から見ると少し下の方に向けて撃てる。

手に持っていた2発の弾を装填してスコープで見る。
伐採地であり、委託できる立木などは撃てる場所のすぐ近くにはないのと、モタモタしてると鹿が斜面を登りきってしまうので、そのまま立射で狙う。

2発とも撃てそう・・・などと考えつつ狙いを定め・・・引き金を引こうとしたら安全装置がかかったままだった。

急いで安全装置を外して、少しスコープの倍率を上げてる間にどんどん登ってる。
その斜面をその速度で登るとか、本当にすごい脚力。
この間に1発しか撃てなさそうな感じになる。

歩いてる途中はスコープ倍率は最初4倍に合わせてあって、安全装置を解除したタイミングで6倍に回してある。
3Dプリンタで作ったスローレバーのおかげで素早く倍率変更できる。

スコープで狙うが・・・どっちを狙うか一瞬迷って、より当たる確率が上がりそうな方・・・わずかに後ろを登る少し大きい方の頭の少し先に狙いを付けて発砲。

たぶん外れ・・・そのまま同じ速度で登ってる。

スライド機構を動かして次弾を装填し、再度狙っているところで、二頭とも尾根を登りきってしまいバックストップが無くなったので構えるのを止める。
この方角には約1km先に住宅もあるので念のため。
そのまま鹿は2頭とも走って尾根の影に消えた。

一応、当たってないとは思うが斜面沿いの急な作業道を徒歩で降りて登って追いかけて見るも、いない。
血糊もない。地面を強く蹴った力強い足跡が残ってる。
しばらく周辺を尾根上も斜面も谷も双眼鏡で覗いて探索するもいない(ように見える)。
この少し前にも別の鹿を追いかけて斜面を全力で登ってるので体力限界。
本日終了。

とりあえず、狩猟を始めてから2年目での初発砲ということで、やっと第1歩。
1発も撃たずに猟期が終わるとやっぱり少し寂しい(前の猟期)。

車に電子イヤーマフを忘れてきたため、素耳で撃ったが左の耳がキーンとする。
今度はちゃんとつけようと思った。
寒いと耳が冷たくてすぐに気づくのだが、今日は暖かいので忘れた。

後日、レーザーレンジファインダを使って、発砲したのとだいたい同じ場所から鹿が登っていた斜面までの距離を測ったら、もし安全装置の問題がなくて1発目を撃てたとしても約70数メートル前後、実際に撃てた1発目の場所までは約82メートルあり、いくら的が大きいと言っても正直、現状の自分の実力だと当たらなかったかもなぁと思う距離。

自分がいた尾根上から鹿が登りきって越えた尾根上(の中心付近まで)を計ってみると104メートルあった。

実際はもっと近くに見えるのだが、地図上で測ってもやはり、実際に発砲できた1発目の時点で80メートルちょいはある感じ。
レーザーレンジファインダは正確でした。

猟期前に100メートルの静的射撃をした時の結果を考えると厳しめの距離。
もう少し練習するなり何か考えようと思った。

しかし、結構な速さで上(または下)に移動しつづける鹿をスラッグで撃つ練習って、練習もしようもないのでどうしたものかと考える。
あるとしたらVRを使ったハンティングゲームだろうか。

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とりあえず、2クール目の2日目とする。
1月中旬某日

前日は風速8~9m以上の風があり、下見も出猟も断念。

今日は出猟・・ではなく下見兼ご案内。
以前から「狩猟する場所を見たい」から連れて行ってと頼まれていた友人を連れて下見。
自分すらも地形やらを把握してないところには連れて行けないので、結局2回目の猟期になってからとなった。
せっかく連れていくなら可能なら見せたい。

朝、迎えに行く。
猟場がある山周辺に着き、最初に新しめの鹿の痕跡があった林道二ヶ所に行くもいない。

次にいつも通る林道を上がった峠の駐車スペースを過ぎて、山の反対側への下りの途中、路上で5頭の鹿のメスの群れに会う。時間は8時半頃。
直前にはリスも見ている。

轢くわけにもいかないので車を停め、目の前5~10メートルくらいでガードレールを超えられず、反対も山を削った擁壁なので登れず右往左往する鹿を眺める。
数秒間右往左往したあげく、ガードレールの下と土の盛り上がりの間に頭を突っ込んでグニュリと無理やり抜けていった。

しかし、本日は非狩猟モード。
それがわかるんでしょうか。

鹿をよく見ようということで、2人で車を降りるとまだ近くにいてガードレールの下の谷を横腹を見せて走っている。さらには木立の影から1頭が逃げずにこっちを見てる。
次に会ってもそれで頼みますと、脳内で考える。

友人に鹿を見てもらうという目標は達成。
というか、5頭の群れを見ること自体が初めてでこっちも驚く。

少し周辺の林道から山に入って散策。
なだらかな場所を選ぶ。

車に戻ってそのまま別の林道に行く。
広い砂防ダムと崩壊した林道があるところ。
やはり鹿はいないので、そろそろ帰ることに。

山を下りて10時から開店する有名店まで移動、到着、食事。
その後は適当にドライブしながら帰宅。

普段もこのくらい鹿に出会えるといいんだが。
今回はとりあえず、毎回猟場で鹿を見ている。


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3日目(出猟は実質2日目)。

1月中旬某日。
前日また10m以上の強風がありそうということで断念。

本日も風は5~6m以上だが出猟。
いつもの峠で着替えて、最初に前々日、一気に5頭の鹿を見た場所に向かう。

途中で路上で一頭に出会うも、車を降りるまもなく、すぐに斜面を登って藪に消えた。
さすがにちょっと登れない斜面。

寒くなってきて少し低い場所に降りてきてるのか?

峠を越えた後の林道下り途中から続く作業道から伐採地近くまで徒歩で登るが、鹿の気配なく。
車に戻って別の林道に入り、別方向から伐採地がある山に行く。

風があるので、風が当たらず日当りが良い斜面にいるかもと思い、今期2クール目初日と同じように以前三頭を見た伐採地の尾根に、未伐採の林の中を通って遠回りに裏側に回り込むルートで登るが、風が当たってなさそうな斜面には鹿おらず。

そのまま2クール目初日に探索した鹿の寝屋群を見つけた300メートルほどのピークに向かう。
途中、初日に飛ぶように走る鹿を見た獣道をたどる。
風が強くなってきて木や葉っぱの音が絶え間なく聞こえる。
当然、鹿の音も聞こえない。

ずっとガサガサ、ザザザァと木や枯葉の音が聞こえる。
強弱はあるが風が吹きっぱなし。

特に強い風が吹いた時には足音も葉音にかき消される感じなので、
風が強く吹いたタイミングで素早く歩いてみる。移動時間を短縮。

途中から目的のピークに続く尾根上に出て尾根沿いに登る。

急登を登り切って上に出た瞬間、その向こうに鹿が寝てそうな予感がする倒木を見つける。
そっと双眼鏡で見ると倒木の枝の僅かな隙間の向こうに鹿の頭と顔が上下左右に動いてるのが見えた。後頭部も。
こういう状況は初めて。

すぐに静かに弾を装填。
銃を7割くらい持ちあげたところで走られる。
そのまま倒木の影→立木の影→藪の中という感じで走られて、
藪の方を狙ってみるが藪で全然見えない。見失った。

初めて双眼鏡でこっちが先に見つけた(と思いたい)。風のお陰か。

距離20mくらい。
小鹿で警戒音なし(鳴いたが強風の葉擦れの音で聞こえなかっただけかも)。

周辺を探索するも他に鹿は見つからず。撤収。

昼も近くなったので、初日に発砲した地点に向かいつつ車に戻る。
今日は他には鹿は見つからず。
風が強い日は大変だが、ソロにはチャンスかもしれない。

今年の冬は暖かいと言っても大陸からの寒気が入って気温が下がり(寒気の影響で風も強い)、先日はなかった雪というか霙(みぞれ)の粒?のような感じのをバラまいた状態みたいに地面が白くなっていて、土も一部は霜が降りたような感じで凍っていた。
(※後日の雪の日の後の探索で、このばらまいたような氷の粒がこうやってできたのかな?という場面に出くわした。雨や雪等の水分が融けたか露として木々の葉っぱの上でできた水滴が寒さで再度凍り、風でゆられた時に葉っぱの上からボトンボトンと降ってきていた。それなりの高さの木からも降ってくるので銃や樹脂に当たるとカン!とかゴツンとか音がする。)



帰る途中の林道で朝にはみなかったオレンジや黄色系の帽子、服等がチラっと見えるハンターらしき車に何台か出会う。
一台は朝に着替えをした峠スペースに白い非RVのバンの乗用車止まっており、無線機のアンテナがあったが、車には乗っていない感じで人の気配なし(これはたまに登山してても山頂付近にいたりする無線好きの人の可能性もあるが)。



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出猟4日目(実質3日目)。
1月下旬某日
早朝から最初にまだ行ったことがない林道を見てみることにした。
ここは住宅が近いので銃猟では入らないと思うが、地形や植生確認、一応、鹿がいるかいないか等チェック。

今、三月末までの予定で伐採作業中らしく注意を促す看板があった。
下草は少ないが背が高い杉か桧が密集していて、曇りの天候もあって薄暮みたいに暗い。車のヘッドライトを付けても暗い。

作業用の道が続いていたが、傾斜も急で、車ではきつくなってきたので途中の切り返しでUターンして戻った。

林道入り口で伐採作業期間の詳細が書いてある看板を撮影しようと車から降りたら、住宅から20~30mくらいしかないのに既に一部が伐採してある上の斜面の方からピーッという鹿の警戒音が聞こえた。
罠猟には向いてる場所かも。

前日に続いて最初にいつもの林道から峠を過ぎて、林業の作業道付近でまだ登ったことがない反対側の方の斜面を登ることにした。
今回は本日が最後なので次回以降に備えた下見も兼ねる。

一応、作業道か登山道っぽい道があるが、登る人がいないためか藪が繁って倒木もある。
藪や倒木を避けつつ、くぐりつつ登る。
つづら折りの道を車を置いた場所から少し登ったところで、道路を挟んだ場所にあるこれまでも何度も登ってる林業の作業道がある側の林からピーッという警戒音。
藪を大きなものがガサガサと走る音が聞こえる。

向こうからはこっちが見えるのかな?でもこっちから見ても全然わからない。
立ってみて双眼鏡をのぞき、しゃがんでみても覗くも見えない。

登った場所はそれなりの傾斜があるのでスパイク長靴を履いたが、どうしても落ち葉を踏んだ時のガサガサ音がうるさくて、動物に気づかれやすいのが難点。
スパイク長靴はより安全に登り降りできるのでジレンマがある。

鹿が道路を挟んで反対側にいるならと、藪も濃くなって見通しが悪いしということで、下見するピークがある方面の登りは中止して、鹿の警戒音が聞こえた作業道側方面に行くために道路まで戻りつつの途中で車を停めた近くの沢の方からも警戒音とガサガサと音が聞こえる。

道路の両側にいる模様。
双眼鏡で見るが見えず。

この斜面から降りてくる途中、ハンターっぽい車が林道を峠方面に上っていくのが見えた。
流し猟かな。

斜面から道路まで戻って作業道反対側の警戒音が聞こえた沢や斜面の方を見るが鹿は見つからず。
スパイク長靴から音がしにくいトレッキングシューズに履き替えてゲイターも着ける。

車を置いた場所から200mほど道路を下って林に入り、作業道がある方に林の中経由で回り込むことにした。

林を通過していつもの作業道まで出るも鹿は見つからず。

そのまま前日までとは別の鹿の寝屋があった近くまで作業道を上がる途中、警戒音。
向かって左斜面で鹿が斜面に沿って走ったのが見えたが、見失った。
やはり連日の猟で少し疲れてるからと言って、手を抜いて目立つところを歩いてるのが良くないと思う(>自分)。

道路などとの位置関係から、たぶん、さっき鳴いてた鹿と思われる。

鹿の警戒音とほぼ同時にバタバサと盛大な音を立てて丸々した感じのヤマドリのメス(と思われる)が鹿がいる側と反対側の斜面から飛んで行った。
しかもまだ結構ガサガサしてて他にもヤマドリか何かがいる模様。

そのまま作業道を外れて鹿が逃げて行ったと思われる沢沿いを進むもさっきの鹿はおらず(見えず)。警戒音もなし。

作業道まで戻って鹿の寝屋群があった場所に向かおうとするも雨が降り始めた。
天気予報では午後夕方前から雨で、午前は10%~20%のハズが大外れ。

どんどん雨足が強くなり、さらに進もうとしたが伐採地手前で霙、さらに雪になって結構強くなり、視界も悪くなる。
葉っぱに当たる音がどんどん強くなる。
足元が濡れて滑る前にと撤収を決める。

既に石、岩、葉っぱ、土の表面が滑りやすくなっていた。
これ、トレッキングシューズだったら伐採地の斜面部分だと降りられないかも(斜面を巻くように掘ってある作業道経由の場合はゆっくりなら降りられそう)。

銃が濡れないように銃カバーに入れて、フードを被りつつ車に戻った。
戻ったら油を吹き付けて磨かないと銃が錆びそう。

雨と雪で結構濡れた。
雨雪を浴びてる時間が15分くらいだったので、中国で買ったオレンジ迷彩の服は浸水してない模様。それよりズボンの内側の裏地が破れていた。
急いで沢を超えるときに大股になったら「ビリッ」っと聞こえたのはこれだったのか・・・。

車中で着替えてこのまま帰路につく。
今回の猟は本日で終了。

今猟期2クール目は実質3回の出猟。

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以下、今回の装備についての余談。

今猟期1クール目の教訓を元に、今期2クール目から導入した3点式スリングのお陰で斜面を登り降りする時に両手を空けやすくなった。
特に急な登りでも銃の運搬がしやすいと感じる。


購入したのはこれ。
 3 Point Tactical Rifle Sling Gun Strap Adjustable

またウクライナから。
ウクライナポストの表記で見ると、キエフの北東120kmちょいくらいにあるチェルニーヒウ(Чернігів)というところから発送されてきた。
国際書留で合計15日くらいで到着(以下は日本郵政の方の表示)。


3点式スリングなので、スリングが2重になっているところの長さを調整して体を通し、銃に近い方の樹脂のクイックリリース(?)・・・ワンタッチベルトなどについている樹脂のアレを外すと長さが長くなってスリングを付けたまま銃を構えられるようになる。



ebayやAliExpress等で送料込み4ドルくらいからある中国製の安価な3点式スリングも考えたのだが、こちらの商品はスイベルにつなげる部分が革製になっていることと、前にウクライナから買った革製スリングが狩猟でも問題ない強度だったので今回も同様に期待して購入。
実際、作りは悪くないと思う。

3点式スリングと言うのは前回の出猟以降にスリングについて調べていて、名前はなんとなく聞いたことがあるようなないようなという感じだったのが、ちゃんと調べてみて使い方とかを初めて知ったくらいで蘊蓄は何も書けません。
 これまで急な登り降りの時に銃の上に尻もちをついて折ったり曲げたりしないように、肩手で銃の下部から機関部に指を突っ込んで掴んでバランスを取りつつ昇り降りということがあり、やはり転んだりバランスを崩したりに備えて出来るだけ両手を空けたいけど、銃も安定して運びたいが何かいい方法はないか?といろいろと探してみて、この3点式スリングなら要求を満たせるカモという感じで試しに導入してみたという具合。

ただ、軍用銃と違ってベネリ・スーパーノバはスリング用のスイベルが銃身や銃床の下側につく感じになるので、この3点式スリングをタスキ掛けにして体の前に下げると、スコープが下側になってぶら下がる感じになる。
一応、 GG&Gなどのメーカから、ベネリ・スーパーノバに使えるタクティカル用のものとして、こんなの

Benelli Nova-SuperNova Front And Rear Looped Sling Attachments

が売られているが、これを買うほどでもないので・・・。
個人的にはその欠点を考慮しても狩猟での行動中に両手が使いやすくなって便利になった感じです。

スリングのベルトが2重になっている部分に体を通すと、銃が体の前である程度安定して釣り下がります(そのようにスリングの長さを調整。言うまでもなく脱包必須)。
空いた両手を使って木を掴んだりバランスを取ったりという感じ。

たすき掛けに輪っかの部分が体にかかっているので、双眼鏡を持つために両手を放しても肩からずり落ちることもなく(そういう長さに調整)。

ちなみに、もう1個のクリックリリースを外すと体からベルトが完全に離れるようになっており、一度、鹿っぽいガサゴソ音を聞いた時に、スリングを見ずに外す方を間違ってベルトが体から外れる方を切り離してしまい銃を落としそうになったのはここだけの話です(そして、うおっと!とか声を出してガサガサしてしまい鹿っぽい物音もしなくなり・・・)。

同じく、1クール目の反省からバックパックの肩ヒモに取り付けられるスリング脱落抑制パーツ(スリングサドルショルダークリップ。猟用はオレンジ色素材で3Dプリンタでプリント)もなかなかな感じ。
スリングを普通の肩にかけている時も確かに斜面でもずり落ちない。

ただ、自分の環境だと肩からスリングを持って取り外すときにスリングがちょっとひっかかることがあるので、素早く肩から外したい場合に影響が出そうだった。
元データを使わせてもらってもう少し自分で改良しようかと思います。

さらに1クール目の教訓から、双眼鏡も手持ちの軽量な10x25(ZEISS製)に切り替えてみた。
これは貰い物。ただし、非防水。

今まで猟で使っていたケンコーのは8x32で防水だが560g(比較的軽い方だと思います)。
これは本体(+ヒモ+キャップ)が実測で211gくらいなので350gくらい軽量化。
スコープの重さが半分になった計算。

一応、2クール目の出猟前に家電量販店で8千円~2万円弱くらいの同程度のサイズの防水双眼鏡を見てきたのだが、さすがにZEISSのと比べるのは明るさや解像度の差がかなりあり、購入を保留。
光学機器はレンズが重要なのでお値段と見え方が比較的比例するけど、光学機器でよく見えるものは高い・・・。