とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

3クール目出猟メモ(2019年2月上旬~2月中旬)。今季終了、捕獲ゼロ。

家庭の事情でまとまった日数が必要なこの場所まで来れるのも今季が最後。
少なくとも数年くらいは無理そうな予感。

というわけで、来年度やるとしても日帰りできそうな東京に接してる県になりそうです。せっかく地形、植生、地域の鹿の特性なども覚えてきたので残念だけど。
(狩猟に反対されているわけではなく、単に家族のお世話で長期で家を離れにくいという事情)

 
結論から書いておくと、今季は捕獲ゼロで確定しました。

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3クール目 出猟1日目

さて、というわけで3クール目開始日。
今季2クール目で行った場所と同じ伐採地に行く。

日の出前に拠点を出る。

今年1月に行ったときは気温が高めだったが、本日はマイナス6度~プラス2度くらい
までの予報。
風が吹いてなければ思ったよりは寒くない。
雪もなし。

天気予報の情報から風が吹いてると寒い場所もあると思ったので、重防寒装備で行動開始したら思ったよりも風がなくて暑くなり、途中で車に戻ったタイミングで上半身だけ厚手フリースを1枚外した。

歩いているとまだ暑いが、尾根上に出ると冷たい風が吹いて寒いこともあり、温度調節が難しい。

下は手持ちのオレンジのサロペットと内モンゴル仕様羊毛入りズボン下(ただし、このズボン下は重さが重い)およびパイル編みの厚手靴下。
下半身だけあと5度以上低くても大丈夫な装備。

前にも書いたけど、このサロペットの弱点はゲイターをつけられないこと。
かなりサイズが大きいのだったら行けるのかも。

天気予報で気温が低めの時はなんとなくケガをしたりでしばらく動けなくなった時に備えて、少しだけ厚めの服装や非常装備にしている。
左胸ポケットにはハッキンカイロミニも入れてあり、指先が冷たくなり過ぎた時などにしばらく手袋に突っ込んだりして使うこともある。

他にライターや防寒アルミシートとか骨折等にも備えて当て木を固定できるテープなど遭難対応装備他も持っている。

普段は山火事が心配で火を炊くことはないが、遭難してしまった時は別で、暖を取るための準備はしなければならない。
幸い、秋冬は枯れ木や乾いた枝が多いので雨が降っていなければ薪には困らない。

こういう装備にお世話にならないに越したことは無いが、今回の3クール目も一度だけ林道から1kmほど入った斜面の途中で倒木を無理な体勢で超えた時にアキレス腱に痛みが走って「やばい、切れた?痛めた?」と一瞬思ったが、体勢はそのままで両手を倒木について3分ほどジッとしてたら傷みは消えたので一安心。

一応、山に不慣れな自分としては遭難に備えて最長でも直線で3kmほど行けばどこかの林道には出るところを選んでいるのと、位置情報は随時、家族に送っているので本当に不味い時は助かる算段はしているつもり(なだけかもしれないが)。

未だ地形と鹿の場所を覚えるのが最優先で狩りが後回しになっている部分はあるが、そのおかげで(歳も考えて)無理せずケガをしていないと勝手に思っている。

上を脱いだ後は、足の方で血を温めて上半身に回るからか、ちょうどいい感じに。
手袋が薄い手だけ冷たい。

靴はテスト投入の足首まである登山靴。
この靴はまだ堅いからか足首が痛くなりそうでちょっと失敗したかもと思う。
急斜面を上るときは、足首が自由な方がいい感じだが、馴染んでくれば変わるのかも。

本日は、前半、周辺のまだ行ったことがない場所に探索に向かうが、徒歩で歩ける作業道のように斜面の一部を削った感じになっていて斜面側は切り立っており登れず、下側も沢まで急斜面になっていて作業道のさらにその先は松の木が密集して生えており(植えられていて?)、太い倒木もあり通れずに戻った。こちらは別経路でないと無理そう。

車を挟んでいつもと反対側の場所だったので、ここで一旦、車に戻って不要なものなどを車に置いた。

後半は先日、鹿が尾根付近から逃げたときに通ったと思われるあたりを探索。
しかし、寒いからか、午前9時以前の通常は鳥がよく鳴いてる時間帯なのに鳥の声もほとんどしない。
シーンと静まってる。自分の足音だけ響く感じ。

行く途中の沢の上流側はこの寒さでほぼ凍って氷柱状になっていた。
もう少し下流は解けていた。
数百メートル以内でもこれだけ気温差があるということだろうか。

途中、寝屋があった方面の尾根に向かって伸びている足跡を見つけた。比較的新しく見えるが、そのまま蹄の跡ごと地面が凍ってる、ということは寒くなる前日以前の足跡なのかな、などと考えて歩く。

この日は本当に静かで、たまにカラスが鳴くけど、それもあまり元気がない。
少し鳴いて鳴くのをやめてどこかに行ってしまった。

普段ならこちらから一定の距離の木に止まって鳴きっぱなしの状況のはず。
いつもより鳴き始める時間も早い感じで適当に切り上げているのか。
動物も急に寒くなるとこうなるらしい。

手の防寒は銃の操作をしやすい薄い手袋だけなので、手だけ寒くてかじかむ。
ハッキンカイロを握ったりして定期的に温める。
翌日、手の甲が軽くしもやけっぽくなっていた。

手の保温も考えないと。
操作性を維持しつつ保温みたいな感じにできるといいのだが。

山を歩いているとなぜか毎回のように寄ってくる哺乳類はリスばかり。
 (※リス・・ですよね)

写真を撮ったので調べると、毎度のように見てるのはニホンリス(非狩猟鳥獣)の模様。
灰色系か茶色系で、だいたい1~2個体で行動してる。

他にも木はいっぱいあるのに、ガサガサガサと音がして見てると、自分から1~3メートルくらいの距離まで近寄ってきて木に登っていく。

餌をくれる人がいるのか、それとも人がいると見晴らしがよい場所でも捕食する鳥類等が寄ってこないからか、その両方か。

鹿の寝屋があった尾根付近まで行く前に、天気予報が外れて雪がちらつき始める。
この時点で10時半くらい。

林の中に入ると鳥がいたが、木から木に動いてはいても、本日はこれもあまり鳴いてない。
林の中に入ると風があまり当たらなくなり温かくなった。

今後の参考にするために、先日目撃した鹿が移動しているのではないかと推定している寝屋~沢付近までの経路を確認するため、急いで標高300メートルの尾根まで向かう。

尾根から直線距離で150メートルちょいかと思われる距離で尾根上付近を水平に移動する影が見えた。

場所からして鹿っぽい気もするが鳥っぽい気もする。
動いたものが見えたあたりを双眼鏡で見ると大き目の茶色い鳥が数羽いるのが見えたが、結論としては薄暗くてなんだかよくわからないということに。

雪はすぐ止むかなと思ったら本降りになってきたが、ここから戻るにも想定経路の中間あたりで、地図上に書くとU字型の経路の頂点くらい。
ただ下って戻っても少し登ってから戻ってもあまり距離は変わらないため、登ることにする。

尾根付近で最近の痕跡があるかの確認と写真だけとって撤退開始。

痕跡もどうも糞などを見ても、少し前のものに見える。やはり先日踏み荒らしたからか(たぶんそうです)。

地面は枯れ葉がない場所は凍ってカチカチ、枯れ葉の下も霜柱が見え半分凍ってる感じの感触。
枯れ葉がある場所は雪が積もってなければかえって歩きやすい。

しかし、降り締めた雪が積もりはじめており、視界も悪くなってきて山を降りる速度を上げる。
伐採地に出てみたが、雪で視界が悪くなって遠くが見えない。




朝は積雪もなかったし今日は1日晴れかと思って軽アイゼンを置いてきたが、もってくればよかったかも。
前回、鹿を狙って撃ったが外れた伐採地を通って最短ルートで車に向かう。
12時半に車に戻った。

本日終了。
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3クール目 出猟2日目
天気晴れ、気温マイナス3度~プラス1度。

いつもの場所で猟装に着替えて林道を車で下って本日の候補地に移動、と
思ったら下ってる途中で路上に3頭いるのを見かける。

鹿は猛ダッシュ、林道わきの斜面を下って逃げた。

さて、気温が下がってきて、ここら辺の鹿は標高が低い場所に降りてきてるのか、暖冬の今季の場合は12月はいなかった標高100~150mくらいの下の方で目撃が増えた。
前もこういう日は標高が高い場所に行っても他に見かけないことがあったので、本日は標高が低い場所で鹿を探索することにした。

林道の出口に近い方まで行って車を止めて、鹿を見かけた場所とつながってる方に
尾根をしのびながら登っていくことにする。

登り始めてすぐに真後ろの道を挟んで反対側からピーッという警戒音とバキバキと藪を通り過ぎるような音。もう完全に見つかっています。
10分ほどじっとして、落ち着くのをまってみるが無駄な抵抗な気も。

その後、ずっと登っていくが鹿を目撃できず。
一度、銃カバーをつけて林道に出て目撃地点までショートカット。

鹿が入っていった場所付近に入っていく。
林道のカーブからつながる針葉樹の尾根で寝ているようで、この尾根の両側は急斜面。
新しい糞から古い糞まで大量に落ちている。節分の豆まき後みたいに。

  

(※写真の黒い粒が大量の鹿の糞)

下はふかふかの腐葉土っぽい感じで柔らか。
忍びつつ、木から木の影を移動しつつ両脇の斜面を警戒しつつ時間をかけてゆっくり歩く。

緩やかに尾根が下っていく地形で、半分くらい降りたところで、双眼鏡をのぞくと尾根から続く藪の向こうに鹿の前足より後ろの斑点がある胴体と白いおしり、足が見える。
木漏れ日や木の模様などの見間違えかと思って何度も確認し、さらに少し近づいてみるが、やはりいる。

しかし、双眼鏡は10倍で銃のスコープは6倍。
狙ってみるも距離が遠すぎるのでゆっくり近づくも見失った。
ツァイスの双眼鏡にしてから2回目の発見。

藪の手前で少し緩くなった脇の傾斜から沢に降りて休憩。
おにぎりとパン、お茶を飲んでると先ほど鹿がいたあたりの藪から、沢の音に紛れて「ピャッ!」という声が2回聞こえる。

やっぱり見間違えではなかった模様。いるじゃないの、そこに。

だんだんわかったような気になってきたが、これは「誰かそこにいるのか?お前は仲間か?」という合図だと(勝手に)思っている。

しかし、またこの斜面を登っても、その向こうも急斜面の下り。
鹿と競うのは正直厳しいのであきらめる。
もう狩猟じゃなくて、精神面の粘り強さと体力いう自分との戦いです。

休憩が終わった後は、まだ行ったことがない伐採地の周辺の尾根を目指す。
急な登りを何度も休みながら標高差120メートルほど登る。

この尾根も登りきると緩やかになっており、日も当たるので寝屋には向いてそうな地形で例の伐採地にも標高差がほとんどなく緩やかにつながってるので寝てそうと思ったが、登る途中にも木の根元に糞があり、上まで登ってみると一応、フンと寝屋の後はあるが古い。
こちらの尾根は広葉樹と藪が多い。

もっと暖かい季節にエサがある時にいるのかも。
秋から冬になると枯れ木になってエサもなく藪になって歩きにくいから別の場所に移動するのかな、という感じがした。

林業の作業道の跡もあり、上に上がると伐採地方面についてつながってるが、作業道上にも木や藪が生えてて歩きづらい。
 

ショートカットしようとしたが藪が濃くて気力をそがれる。
鹿も外敵から逃げるとかでなければここは通ってないと思われる雰囲気。

ここの反対側の尾根(本日、鹿を見つけた藪がある尾根)は針葉樹で下草もなく鹿の痕跡が多数あるので、こちらより沢に上り下りしやすいからとか、温かいとかダニが少ないとか何かあるのだろう。
こちらも負けず劣らず日当りは良いが藪が濃いので嫌なんだろうか。

せっかく上がってきたので、伐採地に抜けてから伐採地に掘ってある林業の作業道沿いに降りようと思い(こちらは藪が無いので楽)、今いる尾根の藪が生えまくった作業道の藪をかき分けながら木をくぐりながら通り抜ける。
これが思ったより時間がかかった。

伐採地に出て周りを見るが、天気がいいけど風が当たって寒いからか鹿の気配どころか動物の気配が希薄。カラスの鳴き声が聞こえる。

このまま、帰りもまだ通ったことがない別の斜面側に回り込んで斜面と谷を経由して車まで戻った。
この時点でいつもの戻り予定時間を1時間過ぎて14時近く。
藪で予定よりかなり時間を取られた。

ちなみに藪を通り過ぎる時はゴーグル必須でした。

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3クール目 出猟3日目

いつもの林道を車で登って林道わきのスペースで着替え。

寒くなってからこの林道の峠を越えた下りの日当たりがいい場所で鹿を目撃するようになったので、いたとしてどの程度まで近づけるか確認したくて本日は車を峠近くに止めて徒歩で林道を忍んで下る。
もちろん規定通り銃カバーはつけたまま。

静かに下りはじめてすぐに上側の頭上の斜面から(たぶん)鹿らしき?ヒーというかそんな声。
鹿がいる時に聞こえる声。なんかのやりとりをしてる風。

あとでネットで調べるとトラツグミの声がヒーヒーだというが動画で音声を聞くとなんか違う。やっぱ鹿かなと思う。

後で戻っていて車に到着する直前にピーッと鳴かれて逃げられたのもこの鹿かもしれない。

無視して目的地点まで下り続ける。
林道の傾斜もそれなりにあり、雪が固くなっていて溶けた雪が再度凍ってツルツルに滑るため、本日はスパイク長靴。
音を消すにも限界がある。

堅くなった雪とその下の氷をふむとザックザックと音がする。
しかし、凍ってかなり滑る部分があり、グリップ最優先。

車で登り降りする場合もタイヤのグリップを確認しながら時速10キロ~20キロ未満と相当ゆっくり走っている。がけ下に落ちたくないので。

この峠は新しい便利な道路ができるまで地元で生活道路としても使われていたことがあったので、林道なのにカーブごとにカーブミラーがあり、急カーブごとにミラーを双眼鏡で見ると道の先を見られる。

目標地点までの途中、路上ではなく、ガードレールのすぐわきで鹿が鳴いて谷に降りていき白いおしりが見えた。
すぐにガードレールから見てみるが、見失った。

逃げた谷の方を見ながら少し歩いていたところ、目標地点方向の道路の方に斜面を通過して鹿が逃げていくのがちらっと見えた・・のだが、ん?オス?
オスだとしたらこの場所で初めてかもしれない。

なんというか、体の大きさと走り方の立派さというか堂々としてるというか・・・通過する頭上の枝の雪が落ちたりひっかかりが多い感じで、いつも見てるメスとは雰囲気が違うと感じた(気のせいかも)。

これから自分が行く先に逃げて行ってまったわけだから、こりゃいないだろうなと思ってカーブごとに慎重にいくもはやり何もおらず。

また来た道を戻って車を止めてある場所近くまで戻ると、車まであと50メートルくらいのところで、上側の斜面の尾根からピーッと鳴かれた。

車を止めたあたりから10メートル離れた場所に、鹿が鳴いた尾根に向かって上りやすくなっている林業の作業道があり、この道自体は車を止めた場所からも見える。

そこから10メートルほど登るとは車を降りたときには無かった足跡が見え、しかも走ったように深く掘られた新しい足跡がついている。
これが今、鳴いた鹿では?

車を降りたときに車の周囲とこの斜面の雪に動物の足跡がないか確認している。
自分が車から降りて出発した後についたのは確かと思われる。

行きがけの駄賃ではないが、この足跡を追いかけてみることにした。
緩い斜面をずっと雪や土が蹴られて飛び散ってる。
わかりやすくて追いかけやすい。

ずっと足跡をたどっていくと、緩い斜面を下っていく方向から斜面に沿う方向になり、そこからまた足跡は徐々に登っていき、登っていく方向に向かっている。

一瞬、方向がわからなくなりGPSで位置情報を確認しつつ、そのまま足跡を追って斜面を登って林から出ると自分の車の後ろに出た・・・。

あとで拠点に帰って、夜にまったりしながらGPSの記録を見たら、車の近くからぼぼ円形に斜面を下って上ってきて車の後ろを通って、林道を挟んだ反対側の斜面に向かって行っている。
完全に手玉に取られている。

先ほども警戒音を出されて逃げられてるし、警戒されてしまってるだろうと考え、
後半はいつもの伐採地に移動して、伐採地から続いているまだ登ったことがない林道と尾根を通って伐採に出る三角形のルートを探索してみることにした。

300メートルちょいの山登り開始。
すぐにヤマドリと思われる足跡に出会う。

他にもタヌキやら動物の足跡があるが、2日前の夜に雪が降って、本日朝まで雪が降っていたので1日前の足跡の上にはうっすらと雪が積もっているので、ざっとした通過時期はわかる。その点で積雪はありがたい。

この林道は国土地理院の地図だと一見、車で登れるようにみえるが、少し行くと倒木などがあり、さらには林業で作業するための小型の履帯付き作業車で登るような細い道に変わる。

雪上には動物の足跡しかない。
たぶん、タヌキ、ノウサギ、テン(テンは足跡を本とネットで調べての推定)、鹿、他に持ち主が不明な動物の足跡。全部の写真は撮ってないけれど。
  
 (※不明)

  (※ノウサギ?)


(※シカ)

尾根近くまでいくと、新しい鹿の足跡が2頭分あり、林道沿いに登って行っている。
当方が登ってきたのに気づいて逃げたのかも(体力無くて忍び足もできずにハーハーいってるから・・・)。

両側が急斜面で登れない下りられないためか、どちらの斜面に行くこともできずに自分と同じ方向に登っている。

実際、途中には別の日に雪の中で斜面を登ろうとして途中から滑ってずり落ちたような直線状の鹿の足跡もあった。

鹿の足跡は尾根近くになって傾斜がなだらかになったところで、なだらかな斜面を通って谷の方向に足跡が続いていった。
ただ、積雪がそれなりにあるので、未踏の場所をこれ以上は追跡しづらい。

そのまま尾根上に登ると広くなっており、快晴のため遠くまで見えて非常に気持ちがよい。
本来の目的を忘れそうになる。

鹿の足跡は2日前の積雪時点でついたものだけで、本日朝以降のものはないようだった。
温かい時期は鹿の寝屋はこの尾根沿いに木が伐採されていて見通しが良い場所にあると想定していたが、雪が降るとどうなるのかを知りたかった。
どうもこの辺の鹿は雪が降ったり、気温が下がるとより低い場所に降りてきてる風である。

伐採地に近い尾根に向かって尾根上をずっと歩いていく、タヌキ(たぶん)の足跡が道しるべ、というか伐採地に近い尾根付近まで1.8kmくらい続いており、他にめぼしい足跡がなかった。



伐採地に近い尾根でも2日前に雪が降った後の足跡がなく、雪が降った2日前以降から続けて降った今朝までに戻ってきてない模様。
足跡の上に新しい雪が積もっている。

面白いなと思ったのは、ほとんど同じ場所付近に寝ているのに、起きた後の足跡は別々の方向に向かっていること。

ほぼ同じ場所から足跡が伸びているが、こっちの鹿はとある集落方面へ、こっちの鹿は別の集落方面へという感じ。水場やエサ場がバッティングしないようにだろうか。

この雪が降って以降は尾根には戻ってきていないようで、寝屋に戻る方向の足跡がないように見えた。出て行ったきりに見えた。

想像通り寒くなってきてから降りてるのかも。
他の地域の鹿だと標高800メートルで、かつ積雪があっても鹿がたくさん?いる地域もあるようなので、これはこの辺の鹿の特性なのかもしれないが、経験が少なすぎてわからない。

雪が降ると、この尾根上にはあまり鹿はいなさそうということはわかったので、いつになるかわからないが次回以降があれば、無駄足を踏まなくて済む「かも」しれない。

いつもの伐採地が近づくにつれて雪上に鹿の足跡が増えるが、いずれも今朝以前の足跡に見えた(見えただけかも)。

この鹿の寝屋があった場所は雪が降る前には一度来た後に、後日もう一度来た時は痕跡がなかったように見えたが、人が入って荒らした後でも(積雪後に)通過した後が確認できたので、また同じ場所に戻ってきてるか、または通過してるということがわかる。

 


あきらめて伐採地に出ると、これまた真っ新の積雪の上には何の足跡もない・・・と思って先日、発砲した地点に来たところで、脇の斜面から登って伐採地の尾根上沿いに続く
新しい足跡を見つけた(写真撮り忘れ)。

足跡の上に新しい雪が積もっておらず、今朝以降の足跡と思われる。

このまま車に戻る予定だったが、どこに向かっているのか観察するためと、あわよくば鹿に出会えることを期待して少し追跡してみることにする。

追跡すると、伐採地の尾根沿いに歩き、一旦、作業道ではない急斜面をショートカットして尾根と尾根の間の谷に降りて、さらにまた作業道沿いに尾根を登っている。

急斜面は下りずに双眼鏡で足跡をずっと見ていくと、登った後は足跡は尾根上を自分が出てきた「裏口」方面の森に向かって続いている感じ。
一周して戻ってる?
他に雪上に足跡は見えない。

もしかしたら林道を登ってくる当方の車の音を遠くに聞いて一旦、森から出てきて戻ったのかもしれないが、そこまでは確認のしようがない。

すでに終了予定時間より1時間以上時間が経っていて時間切れ。
自分が伐採地に出てくる前の足跡らしいと勝手に結論をつけて、車に戻ることにした。

伐採地から車までは作業道といっても傾斜はきつめなので、スパイク長靴をはいてきていて大正解。
それでも時々滑るため慎重に降りて戻った。
本日終了。

鹿の確実な目撃は1頭のみ。


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3クール目 出猟4日目(最終日)

本日も気温が低く、風も冷たく条件悪そう。
最低気温がマイナス7度くらいの模様。

諸事情で今猟期、最終日。
今回は本当に。

自分が行っている地域の鹿限定かもしれないが、こういう日は普段、見かける場所に行っても、寝屋がありそうな場所に行ってもいない。

本日は初めて「通報されたのかな?」と思う事案に遭遇。

いつもの峠で着替えていると、自分が車を停めている峠のスペースに自治体の名前が入った車と黄色い回転灯を付けた4駆が峠まで上がってきて、自分の車をふさぐようにUターンして何も言わずに戻っていった。

林道を登る前に、犬の散歩の人とすれ違ったんだよね・・・会釈はしたけど。
バックミラーで見てると、しばらくじっとこちらを見ていたので、もしかしたらとは思っていた。

雪が積もった後の凍結して2駆の車は登れない状況でここを登ってくるのは非常に珍しいので、てっきりに何か聞かれるかと思って車から出て会釈したら、そのまんま走り出して戻って行ってしまった。

実際、積雪があってからの峠を越えたタイヤの跡は、自分を合わせて3~4台分ほど。
坂の途中で登り切れなくて引き返した後が2~3台か。

こちらが着替え終わって猟友会のベストと帽子をつけてハンターの恰好をしていたので、「ああ・・なんだ、ハンターか」って感じで戻って行ったのかなと思う。
東京のナンバーですし、車の色も派手なので、まあ目立ちますよね。

気を取り直して、峠を下った場所で探索を開始するも、ピャッもピーッもガサガサ音もしない。
すごく静か。鳥の鳴き声と木を移る音だけ聞こえる。

木の陰にしゃがんで1時間ほど同じ場所にいてほぼ移動しないでじっとしてるも、全く気配なし。

晴れてる時は日当りが良い場所も本日は日も雪雲を通してうっすらとしか照っておらず、風もあり寒く、鹿の気配がしない。

諦めて場所を移すことにする。

来季以降、おそらく何年かは来れないにも関わらず、30分くらい離れた新規の場所を探索。
捕獲された残滓と思われる複数頭の鹿の死骸はあったが、生きた鹿はおらず。

いるのはこれらの鹿の死骸を食べる狸のみ。
エサが少ない冬季におけるよほどの御馳走なのか、自分が鹿の死骸から離れてそれほど遠くにいかないうちに鹿の死骸に戻ってきてあちこちソワソワと移動してる。

車まで帰ってきたときも双眼鏡でのぞいて余裕で観察できる距離まで近づいてるのに、ギリギリまで鹿の死骸の傍にいた。
トビなどもいるので取り合いなのかも。
他にもいろいろといるらしく、鹿ではないが周囲の藪と林の中がやたらガサゴソと賑やかだった。
 

        (※全体はいろいろとアレなのでパーツのみ)

新規の場所でも探索した林道付近にヤマドリ(オス)はいたが、鹿はおらず。
本日はどこもこんな雰囲気なのかも。

今日はダメそうということで、車に戻って猟装から着替えて銃も分解して、 本日終了。

というわけで、今猟期の猟果もゼロで確定。
今季は出猟と下見で合計11回お出かけして目撃した鹿は延べ19頭。
発砲は1回のみ。

残念ながら遭遇でのチャンスを活かせなかった。

参考までに通常の出猟時間は1時間半ほどかけて移動して日の出前くらいに現地到着。
通常は13時に車に戻り、14時前には帰路につく感じです。
朝が苦手なのでちょっと出るのが遅いかなとは感じています。

鹿が活発になるのは薄暗い時間帯と言われているので、より遭遇回数を増やしたり、捕獲の可能性を増やす方法を考えると日の出前には入山して鹿が多いポイントへ移動、猟場のすぐ近くに住んでいる場合は夕方の日の入り直前を狙うというのもありかなと思います。
現地で車中泊と言うのも検討しましたが・・・うーん。

反省点としては、相変わらずの体力不足と精神的粘り強さの欠如かなと思います(結構、すぐに追跡をあきらめる)。
来期以降、また新しい猟場を開拓して安全と法律遵守が最優先で適度にやれればと思います。

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追記:
当方と同じ初心者の方へ。
当方はヤマドリ等を獲るチャンスがありながら無視してるような感じがありますが、これは意図的にそうしています。
主に訪問していた県では鳥類を狙わないことにしている個人的事情があったためです(該当の地域の情報をもらっている人たちとの関係等大人の事情)。
こういう特殊事情がある人のマネしないで各種狩猟鳥等とかもどんどん獲ってみてください。

地区によると思いますが、猟期に獲ったカラスやらの指定鳥獣の側の尻尾、足等を乾燥保存して猟友会に提出すると奨励金が出る場合もありますし、何より狩猟したという実績にもなりますので。