とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

Vortex Viper PST GENII 1-6x24にThrow Lever(スローレバー)取付け。

タイトルの通り、Vortex Viper PST GENII 1-6x24にThrow Lever(スローレバー)取付けました。

Vortex純正のSV-5ではなく、3Dプリントしたものを使ってみましたので、強度や耐久性などは未知数です。
とりあえず数回グリグリと動かしても折れる感じはしませんが、参考程度に見てください。
今回、当方のスコープ用の安価なスローレバーがなかったために仕方なく作りましたが、スコープの外径42mm用のアルミ製などは1000円未満くらいでebayやaliexpressに出ていますので、見てみてください。

スローレバーは、倍率が変更できるスコープの倍率変更ダイヤルを操作しやすいようにする取っ手です。

結局、3Dプリントするデータは1から自分で作ろうとして断念しました。
ネットに公開されているデータを改造した利用しただけです。

3Dプリンターを持ってないので、3Dプリント自体は以下の中国の3Dプリントサービスを利用しました。理由は安いから。ただそれだけ。

→WeNext Technology Co., Ltd.
http://www.waleyworks.com/

WeNextは今のところ、海外には発送してくれないっぽいので、まずは中国の転送会社に荷物を送って、そこから日本へ送ってもらいました。

中国から日本への荷物の転送は、日本語が通じてEMSで送ってくれる以下のサービスを利用しました。日本語が普通に通じる方です。

→日本への転送サービスを提供します国際転送日本発送タオバオ代行
https://item.taobao.com/item.htm?spm=a1z10.5-c.w4002-12918875085.17.196d4e34zy5JRi&id=524852916279
これより送料が安く済むけど日数がかかるeパケットで送るサービスもしてます。

今回、スローレバー作成にかかった総費用は、日本までの送料を入れて総額で 2624円でした。現状は日本国内でこのお値段でできる場所は無さそうに見えます。

スローレバーが実際に狩猟で使えるかどうか、ちょっと試すには高い金額だけど、純正のSV-5だと純正だしアルミ製だけど、8000円+送料はかかるので、少し安く済む感じ。


支払い内訳は、
3Dプリントした商品:30.29 RMB(1元=17円で515円くらい)
中国国内の運送料:13.00 RMB
Paypal利用手数料:12.60 RMB
税金:2.80 RMB
総額:58.69 RMB
です。
これらのWeNextに払う代金部分はPaypalで払ったのでUSドル換算で$9.45 USD(1088 JPY)です。

日本への転送送料は1536円 (89.6RMB)。
こちらはTaobao上でクレジットカードで払いました。

実際は転送の送料は他の軽い商品(小さい樹脂部品 30個=銃や狩猟と関係がない商品)と一緒の転送なので、購入したもの全体で見るともう少しだけ安く感覚です。

3Dプリントの出力部分だけ見ると1個あたり 515円くらいなので、複数人の需要を取りまとめて注文すると転送送料も含めて全体の単価を下げられる気がします。
大きなものでなければ、3Dプリントの個数を増やしても重さは軽いのと中国国内の送料も大幅には増えないので。
支払いにPaypal を使用したのはAlipayが支払いに使えなかったから。中国のサービスなので、中国の銀行口座を持っていて口座に残高がないと支払えませんでした。クレカもだめでした。

もし、Alipayが使えるならこの手数料がゼロになります。
Paypalだとかかる手数料です。
あと、Paypalでの支払いですが、Paypalに登録していたVISAカードの1枚は支払いの認証時に支払いを拒否されました。もう1枚のJCBカードを登録したところ、そちらはOKでした。

ちなみに、そもそも中国で3Dプリントとか、ちゃんと印刷されるの?
という感じかと思いますし、私もどうかなと思ってましたが、きちんと出てきました。しかも高精度だと思います。

ここに限らず外注でぷりんとする他のメリットは材料を選べることです。
個人だと、素材についてはそうそういろいろと揃えづらいですし。

現状、選べる素材は樹脂から金属まで。樹脂だと色を選べる場合もあります。
ただ、金属でアルミで見積もりすると5000円越えくらいになり、送料や手間、強度などを考えると普通に純正を買った方がいい値段になるので、あまりメリットはないですから、結局、安い樹脂の方を選びました。

樹脂でもPLA(ポリ乳酸)は硬いけど衝撃に弱そう、かつ、今回の構造でネジ締め部分に必要そうな伸縮性は低そうということで、今回のスローレバーの素材は強度があるABSと、個人的に未知数のFRPと、同じく未知数のナイロンで迷って結局、使ってみたことがないFRPにしてみました・・・・が、FRPにしてちょっと失敗だったかも・・・。

全く知らなかったのですが、3Dプリントした状態だとFRPって水を吸うんですね・・・。
耐水ペーパーで少し水をつけたところ、FRPにしみ込みました。
調べてみるとFRP自体、船とかの時もちゃんとコーティングして防水加工してるっぽいです。さらにその上から塗装してると・・・。
あと、表面は結構ザラザラしています。

WeNextの注意表記には書いてありましたが、PLAでプリントしたものはツルツルだったので、どんなもんだろうと思っていました。
ただ、このザラザラ自体はスローレバーとしては摩擦が増えてうまく回せる方向でグッドな感じです。

しかし、届いた状態では水を擦っちゃうので、多少でも水を弾かせるために塗装することにしました。ABSやPLAだとこの工程はいらないはず。
あと、そのままだとザラザラしすぎるため、塗装前に不要な使用済み歯ブラシで表面を掃除しながら手持ちの2000番の耐水ペーパで軽く磨きました。

WeNextから届いた箱には数百番台と思われる目が粗い紙やすりが付属して来ましたが、これだと粗すぎるので2000番を使った感じです。

次に塗装ですが、これもコストをかけたくないので100円ショップ(今回はキャンドゥ)のラッカースプレーを買ってきて塗装してみました。もちろんよく乾かしてから。
外に出て新聞紙を引いて中国から送られてきた 箱を横にして入れて、ブシューーっとスプレーして塗装。片面が少し乾いたら適当な新聞の切れ端でつかんで、うらがえしにしてブワァーー・・・とスプレー。色むら?ダマ?気にしない。
子供の頃、プラモデルを作った時以来の作業。


一応は水を弾くようにはなりました(どのくらい継続するかは不明)。
本当は乾いたら、また重ね塗りするといいと思います。今回は男らしく一層のみ(手抜き)。
もし、今回作成したものが折れたり紛失したら、次はABSかナイロンで複数個注文する予定です。この3Dデータに関しては未来樹脂とかいう、柔らかいらしくかつ、溶ける温度が46度という今回の用途には全く向かないけど激安な樹脂以外だと、樹脂素材ごとの価格の違いはほとんどない感じでした。

3Dプリンタ自体の購入も考えていますが、まだそれほど利用頻度が高くないため見送っています。もし買うとしたらデルタ型かな。

今回私が3Dプリントしたのは以下のデータです。
GoogleDriveに上げておきます。もう1つ作ったのも下にリンクが貼ってあります。
Vortex Viper PST GENII 1-6x24のThrow lever 内径46.00mmサイズ。stlデータ。
https://drive.google.com/open?id=1V1uXlk7QBf1i6KN6rq_ewEYvZtveF88P

これに加えて、実際には今回はプリントしませんでしたが、スローレバーのリングの内側部分にいくつかある突起の分だけ内径に余裕があるデータが以下です。

私は実際に以下ではプリントしてないので、うまく取り付けられるかは不明です。
ただ、スコープの表面塗装をを傷つける可能性を減らす可能性があるデータも以下です。46mmちょうどのデータだと、接眼レンズ側からハメこんだ場合にスコープ表面をわずかに擦ります。
Vortex Viper PST GENII 1-6x24のThrow lever 内径46.86mmサイズ。stlデータ。
https://drive.google.com/open?id=1uSpQXi5CkwgB7ohewsOgOGWVpcuX10ac

何れもそのうち消すかもしれません。

最初はできるだけ重さを軽くしようとして上記のスローレバーのデータの取っ手付近に中空処理をかけたものを送信したら

「このデータだとちゃんと出力できないので、中空処理してないデータはありますか?」

という中国語のメールが来たので、中空処理してないもの(上記データがそう)を送信して3Dプリントされてきました。
差額が少額なので追加料金はいらないとのこと(謝謝!)。
あとで、このダメだったデータをちゃんとチェックしたら3D Builderでもデータの整合性で警告が出てました。

完成品の重さを計るのを完璧に忘れてましたが、FRP素材の場合、出力されてきた製品はかなり軽い感じです。重くても20~30g未満程度と推定します。

改良前の元になるデータは、Thingiverseにある以下のデータを使わせていただきました。

Scope Throw Lever / Cat Tail : Vortex Diamondback HP 3-12x42
https://www.thingiverse.com/thing:2240786

Thingiverseは人気がある製品のデータは結構ありまして、同じVortexのStrike Eagle用もありましたので、Strike Eagleとかの方はデータをダウンロードしてプリントできちゃいます(Thingiverseのプリントサービスも使えます!宣伝!)。
Viper PST GENII 1-6x24は比較的新しいスコープであるのとRazorやStrikeEagleに挟まれて立ち位置が中途半端なためにあまり売れてない感じで、対応するデータもありませんでした。
これがフィリピン製じゃなくてドイツ製やら日本製やら米国製やらだったら違うのでしょうけど。
フィリピン製が悪いと言うことではなく、世間様が感じるブランド的なものや価格帯、マーケティング面での商品構成上の問題のように見えます(とある日にふと世間話で聞いた話で、専門的な話だったのでうろ覚えですが。某銃砲店の方のお話によると、有名なスコープを作ってるメーカの製造工場(?)がフィリピンにあり、技術を持ってる人がいるためフィリピンで作ってるメーカがあるとかなんとか、その関係から他でもフィリピンでいいスコープを作るところがある・・そういう話だったような・・・適当ですみません。話半分じゃなくて1万分の1くらいで読んでください)

本当は、こちらのデータを改良させていただいたら、成果をThingiverseにアップロードすればいいんでしょうけど(すべきなんでしょうけど)、Window10だと無償で使える3D Builderを使ってスローレバーの内径が44mmから46mm(46mm or 46.86mm)になるように拡大しただけのデータなんて、とても恐れ多くて恥ずかしくてアップロードできませんでした・・・(汗)。

利用させていただいた元データは44mm用くらいのスコープ(Vortex Diamondback HP 3-12x42)に使えるスローレバーでしたが、3Dデータ上の数値を3D Builderの定規機能で測ると、実際の内径は少し余裕をもって44.86mmになっていました。
突起の高さが0.3mmくらいあるので、その分+αだけ余裕を持った作りかと思われます。

前述のとおり、私が改造して今回プリントした方は内径を46mmちょうどにしてしまっています。
これでも入りましたが、プリントした素材によってはスコープの表面に傷がつくかもしれません。なので、さらに内径を46.86mmにしたデータも上に載せた次第です。
3Dプリンタが手元にあって気軽に試せる人はどうぞ(人柱として....)。

倍率調整ダイヤル手前のスコープの接眼レンズから続く胴体部分が46.18mmくらいのViper PST GENII 1-6x24の場合、もう少しサイズに余裕を持たせるべきかもしれませんが、それでも私が内径を46mmにして作った理由は、手元に3Dプリンタが無いのと、まだ3Dプリントした素材ごとの特性をあまり知らないこと。

さらに素材にどのくらい柔軟性があるのかがいまいちわからず、万一、ネジを締めつけると壊れそうな場合も使えるかもしれないなくらいの感じで考えていたためです。
(出来てきた製品を見ると、倍率調整ダイヤルのところではちょっと緩いくらい。でも接眼レンズ側から通すと突起があたって、素材の硬さにより傷がつくかもって感じです)。

結果として、FRPに関しては、思ったよりも柔軟性があり、ネジを締めても今のところは大丈夫に見えます。耐久性はこれから使ってみてという感じです。

あとは、サイズがギリギリというか僅かに小さいくらいでも、スローレバーの取っ手の真下のネジが通る切れ目のところに割りばしかなんかを挿して、少し広げつつスコープに入れてやれば、実質の内径が増えるので通るんじゃないか・・・?

ということと、ダイヤル部分は46mmちょうどくらいで胴体より僅かに径が小さい感じだったので、接眼レンズ方向からハメこんで締めこんだ場合に、今度は緩すぎて締め付けきれない可能性も考えつつ、このサイズにしたらまあまあいけるんじゃないの?という適当かつ甘い見積もりで作ったものです。結果的には通りましたが(ホッ...)。

拡大したデータだとM4ネジが通りそうだったので、穴を広げたりせずにM4x10mmのトラスねじとナットを使ってみました。トラスねじを使ったのはネジの頭が大きかったのと、これのネジを探しにホームセンターに行った時の在庫の関係です。

実際につけてみた感じではナットを突き抜けたネジが2mmくらい飛び出て指にひっかかりそうなので、最初がナットに通りにくそうだけどM4x8mmが良さそうです(ホームセンターには在庫がなかった)。

本当は改良前のデータを元にネジ穴サイズ、六角穴のサイズ、リング形状の内側の凹凸のサイズとかも改良したかったのですが・・・現状、円形の細かい形状やら突起やら手持ちのソフトウェアでどうやったら改造できるのかわからず。
単純に全体を拡大して内径を46mmにすれば、とりあえず使えそうだな~・・・・なんて安易に思って作りました。
本当にお恥ずかしい限り。

画像を以下に貼ります。例のごとクリック or タップすると拡大されます。
中国から送られてきた荷物を開けると、こんな感じの箱に入っています。
多少凹んでるのは、国際物流だとこんなもんです。

3Dプリントされた商品の中身は丸い 発泡スチロールでクッションされています。
上に載っているのは同梱された明細書です。
FRPはザラザラしてるということで?サービスと思われる240番の紙やすりが入っていましたが、目が粗すぎて使いませんでした。自前の耐水ペーパの2000番を使って磨きました。素材が柔らかいので磨き過ぎないように注意しつつ。

発泡スチロールの玉。

掘り起こすと商品が出てきます。

横から。

正面から。

ネジ穴。

反対側から見たネジ穴。六角ボルトの形になっていますが、本当は元データをちゃんと修正してM4サイズなりに作り替えないとこの六角は意味を成しません。

取っ手を上から見た図。

 100均の油性ラッカースプレーの黒色で塗装後。
ここから車用のタッチペンが余ってるので見える部分をアクリル塗装で塗ろうかとも考えましたが、とりあえずこのまんま。
黒色にしたのは、これをハメてスコープ表面をこすった時に 白くならないようにというのと、視界に入った時に邪魔になりにくいようにという程度。



仮でハメてみた状態。まだネジは着けてない。
最初、取っ手の部分を6倍のところに合わせてみたら、一番倍率を下げても2倍くらいのところくらいで取っ手が銃に当たってそれ以上下げられないので、結局、取っ手の中心を2倍の位置になるように合わせました。
使用した3Dデータにある突起がうまくダイヤルの溝にひっかかってくれる感じ。
改造元のデータを作成したLorenzoGonzalez さん、賢い。

使用したM4x10mmのトラスねじとナット。
改良点としてはM4x8mmくらいにするか、締め付けに問題がないならナットだけでもM4の 袋ナットにしてもいいかも。ナットから飛び出したネジ部分がちょっと気になる。


一応、外れにくいように手持ちのロックタイト243中強度タイプを付けてあります。
何かとネジをロックしておきたいことは出てくるので、ご家庭に1つあると便利。
いつも冷蔵庫に入れてあります。

実際にネジを締めこんでみた状態。
2倍の位置に取っ手の中心線がくるように設置。
1倍にすると、銃床側から見て銃の左側にスローレバーの取っ手が来るので、気になる人は気になるかも。
逆にこの付け方だと、6倍の時は銃の右側の銃本体に近い部分に取っ手が来るで、ボルトアクション銃だったら付け方を変えるか外すかになりそう。

FRPの表面のザラザラのおかげで、指へのひっかかりがいい感じ。
ツルツルの素材で作ってもヤスリがけしてザラザラにすると良さそう。


ネジの飛び出し部分に、気休めに余ってたシリコーンを塗ってみた。
飛び出したネジが邪魔に感じたらネジを交換すると思う。
それより前に、今回作ったスローレバーが折れたり邪魔になって外す可能性もあるけど・・・。

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2018/06/07追記:
ふと、考えてみたら、
アメリカの方(カリフォルニアの方らしい)が作ったデータを、日本にいるまま私が改造して、それを中国広東省深センにある工場で個人向け3Dプリンタよりも上等なクオリティで3Dプリントアウトして、日本に転送して受け取って装着する、という。
昔の製品製造工程からすると、これをごく短時間で個人でもできるようになったのはすごいなと思った次第です。
狩猟にも射撃にも全く関係ないんですけどね。

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2019/10/13追記:

穴のサイズをM5サイズにして、内側の爪を少しだけ高くしたバージョンをThingiverseにアップロードしました(2019/10/13)。
https://www.thingiverse.com/thing:3913453