とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

ベネリ・スーパーノヴァの感想第二弾(2018年5月下旬)

※お手入れの話も書いてますが、銃への知識が浅いので間違いもあるかもしれません。読む場合はご注意ください。

ベネリ・スーパーノヴァを使い始めて半年くらい経過しましたが、まだ合計射撃数は計70発ほどで、すべてスラッグ弾です。

間に猟期で狩猟をしたり、今年は花粉症が猛烈だったり、狩猟用としてスコープを付けたり等々の作業も入っており、回数で言うとまだそれほど撃っていませんが、感想第二弾をざっと追加します。


1.精度は思ってたよりいい感じ。
 交換式の銃身ってどうなんだろうと思いましたが今のところ銃身のガタはありません。ピッタリ、しっかりくっ付きます。
 命中精度についても、20インチの長さはどうなんだろう?という部分も、平筒で撃つ12番のスラッグ弾なりの結果といいますか、射撃場で撃ってみた感じも、50メートルでもシカやイノシシ、熊等の大きい目標にはちゃんと当たりそうだなという感じです。
 手持ちの上下二連と比べても特に差は感じません(まだその程度の腕や経験・・ともいえるのかもしれませんが)。
 スコープも付いたことですし、肉眼ではたぶん視認不可能だった100メートル先の的も今度試してみます。

 平筒でも20番だとさらに精度が高くなりそうですし、ミロクのボルトアクションのMSS-20みたいに、高精度のものもありますから、より精密な射撃を追い求めるには向いてないかもしれません。
でもそういう場合ってそもそも散弾銃でも最初からボルトアクションのハーフライフルモデルが良さそう(ただし、弾は高いです)。


2.スコープを付けない状態だと軽く感じる。
 手持ちの古い上下二連(CM700)との比較ですが、山で長時間担いでいて実感しました。
 年1回でも警察署での銃検でも、警察官の担当者の方も持った瞬間に「え?これ、軽いですねぇ」というくらいです。
 シンセティック銃床やパーツの効果が出てると思います。
 でも、仕方ないですがスコープを付けると重くなります。


3.20インチ銃身は取り回しが楽。
 これはスーパーノヴァだけに限りませんが。
 ネットで調べたり、射撃場や銃砲店で聞いていたとおり20インチ銃身は山での取り回しは非常に楽です。

 スリング(負い革)を付けて肩に背負うと銃身の先端が頭を超えないので、意図せずに木にぶつけたり、引っかかることもないです。
 山の斜面や足場が悪いところを行動中に右手、左手と持ち帰る時も銃身が短いので、枝等にひっかかりにくく、邪魔になるとかもありません。
 何かの気配を感じて、しゃがんだり、座った状態で銃を持ち換えたり動かす時も銃身が短いので邪魔にならない。
 狭い車の中から取り出すときも楽です。
 狩猟の時も公道(林道や農道も含むとのこと)で裸銃ができないので、現地で組み立てられないことも考えて家で組み立てて、銃カバーを付けて持っていくのですが、狭い車から取り出すも銃身が短いので楽。
 26インチ銃身でも6インチ分増えるとして15cmとか長さが長くなるだけなのですが、たぶん、このちょっとの長さの差がいい感じに。


4.ちゃんとスコープが付いた。
 グーグル先生で検索しても、他の人気の銃と比べて海外でもあまりスーバーノヴァにスコープを付けている事例はなく、本当に付くんだろうか?と付けるまで思ってましたが、ベースを取り付けてもらって、ちゃんと付きました。
 ドットサイトに変えることもできるし、目出度し目出度し。


5.シンセティックは素晴らしい。
 樹脂で滑りやすいとかは無くて、全体的に滑り止め加工がされています。

 あと、メンテナンスの手間がかなり減ったと思います。
 山で泥が付こうが水分が付こうが気にしないで、ただふき取るだけ。

 逆にシンセティック部分にはWD-40やらクレ556など樹脂を侵すスプレーは使わない方がいいと思いますので、スプレーかからないように、かかったらしっかり拭き取るようにしています。意外と飛び散るので、ガンロッカーに仕舞う前にもチェックはしています。

 シンセティック部分は一般的には柔らかい雑巾で優しく拭く感じです。
 さっと拭いて終わり。
 銃床に油分を載せてお手入れとか考えなくていい。これは良い。

 この銃の構造としては銃床部分は中が空洞の樹脂(シンセティック)で、それ以外も機関部の外側ややスライドで手が触れる部分、用心金、引き金、安全装置のスイッチ、まで樹脂か金属を樹脂でコーティングしたり、上からカバーしてる感じです。

 ですから、キュキュっと拭くだけ。
 汚れが酷かったら中性洗剤を溶かした水に柔らかい綺麗な雑巾を浸して硬く絞ってから、やさしく拭くという家電掃除の感覚。
 変なでっぱりや隙間も少なめなので掃除しやすいです。

 機関部の中は毎回は分解していません、使用後にボルトの先端と機関部内部を拭くと黒くなるので、樹脂に付かないようにウエス(ぼろきれ)にWD-40をスプレーして、指が届く範囲では拭き掃除は毎回しています。

 金属部分について、銃身は上下二連と同じく、機関部から外してからクレ556で掃除して、WD-40を吹き付けて、垂れてきたりの過剰な油分を取りきらない程度に軽く拭いて終わり。

 上にも書いたようにシンセティック素材は注意点はあって、樹脂を冒すスプレー、例えばWD-40等だけでなく、盲点としては市販のディート入りの虫よけスプレー製品も直にかけちゃ不味いと思います。
ディートは樹脂を侵す性質があるそうで、虫よけスプレーの容器に使われているような一部の樹脂以外は溶かすと思われます。

 ちなみに、スラッグ銃身自体もゴミや草が詰まるリブがないので掃除が楽です。
 リブの隙間って結構、油とゴミがまざったのが隅っこに詰まるんですよね。上下二連の方のリブはたまに綿棒で掃除してます。


6.思ったより当たるアイアンサイト。
 射撃場で50メートルで撃った結果は、別の記事で写真を上げてるのでどうぞ。
 でもスコープ載せると、私が取り付けたマウントベースではアイアンサイトよりマウントベース上面の方が高さが高いので、スコープを外しても陰になって、たぶんですが、使えなくなった感じです(マウントを付けた後にそのまんまスコープを付けてしまったので確認していないのです)。
 しかし、これは射撃場の話で、薄暗い林の中だとスラッグ銃身に標準で付いている凹型のアイアンサイトをのぞいた時は、10~20m以内より遠くなると条件により正直厳しい感じがしました。
もう少し詳しく書きますと、具体的には暗い日陰に木や葉っぱ等があると場合により濃い色に、時に黒っぽく見えますが、私の銃の照門と照星も黒っぽく、微妙なズレが見づらくなる感じです(私自身の目の性能が大きいかも)。
明るいところはもう少し遠くても行けそうで、推定30~40mちょい先に照準を合わせた場合に、狙ったところの日当たりが良かったり、木が伐採してあって明るくて見通しが良いところや、明るい場所の雪の上ではよく見えました。

射撃場では一度入ったら明るさは一定で眼も慣れますし、的も白い部分と黒い中心がある程度はっきりわかり、場所も距離も固定されているので気にならなかったのが、狩猟で林の中に行くと当然ながら日が当たる場所や陰になる場所が交互にあり、様々な色の木あり草あり石あり地形ありで上記の感想に。
少し暗い場所に茶か黒の対象がいると、近くは別として少し遠いと厳しそう(木と木の陰にいる鹿との境界とか)。
これがスコープを付けようと思った要因の1つでもあります。

 逆に10~20m距離ならアイアンサイトでも良さそう(たぶん、リブ銃身の方が近距離の照準を素早く合わせやすいので尚良しかな。クレー射撃で慣れていればなおさら。)。


7.コンフォーテック銃床は結構効果あると思われます。
 比較対象が、クッションのクの字もないスキート用の樹脂の床尾板の銃ですが・・・。
 特製シリコンパッド入りベストがなくてもかなり射撃の衝撃は軽減されています。
 途中の「く」の字のゴムが効果があるかまでは不明です。
 床尾板のゴムパッドは確実に効果がある(そりゃそうですよね)。

 これまでスラッグを撃った感想として、以下全て立射の場合。

→リコイルパッドが無い場合(手持ちの上下二連の時)は、
「うおっ!・・ぅふぅ」(痛い。これ・・・連続で何発も撃つのきつい。数日は肩に痛みが残る。)。

→コンフォーテック銃床の場合は、「おっふ」(でもまあ痛くはない。次も続けて撃てる。20発程度だと肩に痛み残らず)という感じ。

→コンフォーテック銃床に自家製シリコンパッド入りベストも加わると「ほっ・・・うむ」(はい、どんどん撃てます。連続20発でも30発でもどんとこい。当然痛みも何も無し)って感じです。

※銃をテーブルに固定して委託で撃つと衝撃を逃がしにくい分、これよりさらに衝撃が強くなります。


8.意外と光る銃身。
 この銃に限らないでしょうけどが、銃身って結構、光を反射するんですね。
 狩猟に持って行って思いました。

 他のシンセティック部分はあまり感じませんが、銃身は強い日光に当たると意外と光ります。色はマットな感じのブラックなのですが綺麗に磨きすぎかも・・・。

 迷彩柄のモデルもあるので、狩猟をするならそっちのモデルもいいかもしれません(価格は+2万円くらいになるはず)。
 あと、もし、迷彩テープを巻くにしても何か目立つオレンジのものはどこかに巻いておいた方が良さそう。



9.スライドアクションの機構について。
 銃ですから、信頼性が大事です。
 スライドアクションの機構は問題なく動いています。

 装填はそっとやろうと、勢いよくやろうと装填できています。

 しっかり排莢したい時はガチャっと勢いよく。
 射撃場などで排莢した薬莢が隣に飛ぶと困る場合は、そっとゆっくりスライドを操作すれば、飛び出させずに薬莢を手で取り出せます。
 (一応、自動銃などの薬莢の飛び出しに備えて私が行っている射撃場でも簡易な仕切りがあります。射台ごとにパーティションになってる射撃場なら言うまでもなく問題なし)

 スラッグ射撃をする射撃場では、射撃場の人に許可を取って動作確認する時とかを除いて、基本的に1発ずつ装填しますから、次弾を装填せずに排莢でゆっくり操作すると、たまに空薬莢が弾倉の方に落ち込みますが、薬莢の空洞に人差し指を突っ込んでやれば取り出せます。

 1発だけ装填する場合は、排莢する穴から弾を入れてスライドを前にガチャっと動かしてやれば、確実に装填完了です。
 手動なので、途中で銃や装弾に何かおかしい動きがあれば、逆方向にスライドして動作を止めることもできるので、安心感があります。

 装填した後も、ロック解除ボタンを押せばフォアエンド(スライドする部分)がまた動かせますので、排莢の操作をすれば弾を簡単に取り出せます。
 うまく取り出せない場合は、排莢の穴を下に向けるとボトッと落ちてきますので、片方の手の平を排莢穴にかぶせておけば落とさずに取れます。

この時に、カットオフのボタンを押してから操作すれば、弾倉に次弾が入っていても薬室に装弾は上がりませんので、装填された装弾だけを取り出すことが可能です(いうまでもないですが発射直前まで全ての操作において、用心金の内部に指やひっかかるものが入らないように意識して注意し続け、かつ銃口の向きは確実に安全な方向に向けています)。



10.コム嵩上げパッドは問題なさそう(ベント嵩上げの方が正しい?コムとヒールの間をベントというようです)。

 スコープを付けた時にベネリ純正のコム嵩上げパッドを取り付けてから射撃に行きましたが、今のところは頬付けも問題なさそう。
確かにもう少しだけ機関部側に長くてもいい感じはしますが・・・という感じ。
どうしてもダメそうなら、他の銃床に巻くタイプなどの嵩上げ手段を使います。



11.スコープ取付により、ガンロッカー内でのバランスについて要・再検討。

これはスーパーノヴァに限らないと思いますが、スコープ自体が重いので銃のバランスが変わって、スーパーノヴァを分解してロッカー内で立てかけると倒れそうになります。
何か追加で金具を付けるなりして、しっかりと固定する方法を考えないとダメです。

ガンロッカーの奥行きもスコープを付けると銃の向きによりドア側か奥側に当たるので、横にする感じです。
スコープを付ける可能性が少しでもある方はガンロッカーの奥行きも考えましょう。

当方のKSKのガンロッカーは(警察が銃所持者に指導しているように)銃を分解して保管する作りになっておらず、上の方の空間が空いてしまっているので、そこに分解した銃身等を固定する台でも追加しようかなと検討しています。

当初はスコープを付けることを考えてなかったので、ロッカー選びでちょっと失敗したかなと思っています。そもそも選択肢があまりないですが、奥行きが深くてスコープを付けたまま5丁入るロッカーも販売されています。

今も、入らないわけではなくちゃんと分解して入っていますが、空間の中でのバランスが悪いという感じです。 あと、本来スコープなしで、かつ分解しないなら5丁入るはずが、スコープ付きだとスペースの関係で3丁~4丁未満になる感じ。

ちなみに、ガンロッカーでも「押し入れ用」とかで、銃を分解してしまう前提の高さが低いガンロッカーもありますが、高さが85cm(内寸78cmとか?)しかなかったりして、これだとベネリ・スーパーノヴァは銃身を外しても弾倉の筒の先まで90~91cmくらいあるので斜めにしても入らないかもしれません。
上下二連だと分解すると長くても70cm以下くらいになるはずなので入ります。



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以下、余談ですが、スラッグ射撃が散弾と比べて射撃した弾数が伸びないのは、スラッグ弾は単価がお高いのが一番の理由です

次に散弾と比べて体への衝撃がかなり増えるのと、的に当たったかどうかの確認や記録を自分でやっていて時間がかかるので、そうそう連続して撃たないからということもあります。

集弾を見るために連続で撃つ場合も、ある程度は確認しながらなので、記録したりしていて1分で1発とかでしょうか(この場合も5発程度撃ったら、的や射撃姿勢など結果を検証するので数分以上は射撃しないですが)。

私の場合は、だいたいは2時間以内で休みながら20発くらい撃ってる感じです。

装弾の価格については、9号散弾が現状1発40円くらいなのに対して、ライフルドスラッグは当方が通う射撃場で買っても1発180円~210円(鉛弾)と5倍程度の価格です。
9号散弾なら350発は撃てる金額で、(ライフルド)スラッグ弾だと70発。

ちなみに、このブログでも書いていますが、狩猟用のスラッグ弾はこれよりさらに高いです。
当方がお世話になっている東京都内のお店でも1発260円~400円(鉛~非鉛等)前後。
地方だともっと高いところもあるようです。
まあ、これでもハーフライフルとサボットスラグ(の亜鉛や銅弾等)の組み合わせと比べるとこれでも格安です。
サボットスラグを使わずに済むように運用コストをできるだけ下げたかったので、運用コストも想定通りにはなっています。