とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

猟友会公式アプリ「狩りマップ」をインストールはしてみたが・・・・(2021年3月末)

※このダラダラのメモは、この時(2021年3月末)になぜこのメモで書いたアプリをインストールして登録しなかったか、自分が考えていたことを後で思い出すためのメモです。メモが書かれた時点以降のアップデートなどでいろいろと変わったりするでしょうし、後日または後年これを誰かが読んだ時点でのアプリの実際の状況や評価、機能について書いているわけではありません。念のため。

 

猟友会支部から、猟友会公式アプリ「狩りマップ」がリリースされたというお知らせがきたので、試しにインストールまではやってみた。

 

ただ、結論から書くとインストールしてみたが、ユーザ情報の登録段階で規約やプライバシーポリシーを読んでみて、むむむっ?って感じになり、利用者登録はしなかった

 

※「狩りマップ」は2021年3月末現在では、狩猟免許所持者(第一種銃猟、第二種銃猟、わな猟、網猟)および猟友会会員でないと使えません。狩猟免許の許可証番号などで手動の申し込み登録が必要のため。


「狩りマップ」
2019 SkySeeker Co.,Ltd.
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.karimap.app


このアプリに記載がある開発元のSkySeeker社は名前はニュースで聞いたことはある。
ドローンを使ったり、ICT技術を使って自治体から野生動物の調査を請け負ったりしてるみたいです。


一応、「狩りマップ」の利用開始までの手順は以下のとおり。
1.ダウンロードしてインストール。

play.google.com

2.アプリを起動して、新規登録ボタンを押し、メールアドレスで仮登録。

3.登録したメールアドレスにアドレスが正しいものか確認する 兼 本登録用のURLを示したメールが届くので、
メール内に記載されたURLから本登録する(URLは仮登録後24時間以内有効)。

4.狩りマップのサイトで以下の情報を登録して本登録(2021/03/28時点なので変わる可能性もある)
・名前
・メールアドレス
・捕獲事業者区分(狩猟者、許可捕獲事業従事者、指定管理捕獲等事業従事者)
・免許の情報で区分と免許番号を登録(区分は狩猟免許の4種類から選択、「免許を追加する」で追加可能)
・所属猟友会の情報(「所属猟友会を追加する」で複数登録可能)

・猟友会からのメールを受信するチェックボックス
・狩りマップ利用規約に同意するチェックボックス
・狩りマッププライバシーポリシーに同意するチェックボックス

 

で、入力したら本登録。

本当は、ここまでは登録する気は結構あったんですけど、利用規約とプライバシーポリシーを読んで気が変わった感じです。

 

ちなみに、このメモ時点での利用規約を見た感じではSkyseeker社側で大日本猟友会から情報提供を受けるか又は大日本猟友会側に確認して本当に猟友会員かのチェックはしてるのだとは思うが、登録してないので詳細は不明。


以下、「狩りマップ」について気づいた点と気になった点(ただ管を巻いてるだけです)。


★気づいた点

利用規約
https://www.karimap.jp/termsofservice
のアカウント削除の事由にする内容について。

 

>「第7条 (9)本サービスの目的に沿わない行為」

 

その・・・本サービスの目的が何なのか利用規約にもどこにも書いていないような・・・。アプリの概要もよくわからないので、何ができるアプリなのかいまいちわかるような・・・わからないような。
まあここはそんなに重要じゃないです。重箱の隅です、すみません。

見落としてるのかなぁ。

 

>「第12条
1.本規約の条項のうち、次の各号に掲げるものは、個人の利用者(事業として又は事業のために本サービスを利用する利用者を除く。)については、スカイシーカー又は大日本猟友会の責任の全部を否定するのではなく、サービス利用料金の 1 カ月分に相当する金額
を限度としてスカイシーカー又は大日本猟友会がその損害を利用に賠償するものと読み替えるものとします。」

 

次の第13条の2を見ると有料化を考えてるのかな?(事業者向け?)程度の気づき。

 

>「第13条(料金)
1.本サービスは無償のサービスです。
2.前項に規定に拘わらず、当社らは本サービスの全部又は本サービスの一部機能を有償化する場合があります。その場合、料金の発生する利用者に対し通知するものとします。」


とあり。
将来的には事業者向けの情報提供を有料にして、従業員同士で情報共有したりに使える感じにするのかなぁと・・・ただそれだけ。


★気になった点
個人的にはプライバシーポリシーの内容の方が気になった。
まず、こんなの読んでる人はいないと思うけど。

 

>プライバシーポリシー
https://www.karimap.jp/privacy

「ユーザー間の現在位置共有機
・ユーザーが当アプリの定めるエリアにいるとき、他のユーザーの位置をエリアマップ上で表示します。
・ユーザーが当アプリの定めるエリアにいるとき、自分の現在位置情報が他のユーザーに公開されます。また、表示された他ユーザーの個人情報の特定はできません。
・ユーザーが当アプリの定めるエリア外にいるときは、自分の位置情報はサーバー上には送信されデータベース上に登録されるが他のユーザーには公開されません。また、プライバシー保護のため、所定の時間で位置表示が非公開になります。

利用者は、本サービスの利用に際して、自己の現在位置をユーザー間共有することについて、遭難や事故などが発生した場合の人身保護や狩猟時の互い撃ちを防止することを目的としており、自己の行動範囲等が第三者に公開されるものとします。

 

「保存期間
ユーザー解約後の個人情報の保存期間について、当サービスの使用者名、狩猟免許番号等の個人情報は遅滞なく消去いたします。狩猟履歴については、サービスの改良、本サービスおよび関連製品の品質向上のため利用目的に必要な範囲内で残すものとします。


つまり、(アプリを起動してスマホの電波が入る限り)自分の位置情報が他の猟友会員に公開され、さらに一端、情報を登録すると猟場などの情報は消せないように見えるってこと?と邪推してみました。

 

これらのあたりが気になって、ちょっと登録するメリットが感じられなかった。

 

プライバシーポリシーを読んで思ったこと:

まず第三者への位置情報共有がどういう時に行われるかわからないと怖くて起動できないよ・・・。たぶん「当アプリが定めるエリア」とは山とか狩猟しそうな場所のことかと思うけど。

 

ユーザーが当アプリの定めるエリア外にいるときは、自分の位置情報はサーバー上には送信されデータベース上に登録されるが他のユーザーには公開されません。」とあるので、アプリを起動していると常にサーバに送信されていることになり、万一、サーバを攻撃されて情報が漏れた場合、銃猟登録者の家(鉄砲が置いてある家)がお外にもろバレになる可能性が高い。

 

現状のICTのセキュリティって、ゼロデイとかでもうセキュリティの超絶プロでも不正な攻撃を完璧に防ぐの無理になってきてるので、漏れた時のことも考えてセキュリティ対策を考える必要があるけど、その辺がとても甘い感じがしたので。

 

世界の名だたるICT関連巨大企業やCIAやらNSAやら、セキュリティにそれなりにコストをかけてる日本の超大手企業やらなんかすごい組織でも情報を抜かれる時代に、大変申し訳ないがネットワークセキュリティが専門とは思えない会社に何かを期待するのは無理がある。

 

情報共有の理由としても「互い撃ち防止」とある誤射防止については、当然ながらアプリをインストールしてる人以外も山に入ってる前提なので、アプリの情報を元に人がいるかいないかを判断することはありえないしね。

「山にだって誰か必ずいる」前提で矢先の確認とバックストップの確認が必須なので、「誰もいないだろう」で狩猟をするのは個人的にはありえないため。

特に関東の山はどこでも人がいるし・・・。

 

「自己の行動範囲等が第三者に公開されるものとします」

という部分については、当方の場合、基本は1人で回っていることもあって自前で家族への位置情報通知などのシステムを構築したり、携帯の電波が入るポイントでは家族に位置情報をこまめに報告したり、万一の遭難用に無線機や食料などバックアップを用意していて、不特定の他人に自分の位置を知られるメリットがなかった。

 

三者への位置情報通知については、巻き狩りで各自の位置を確認するのに使う想定かな?とも思ったが「所定の時間で位置表示が非公開になります」とあるので、「所定の時間」によっては意味ないし・・・自分で表示時間や表示相手を設定できるんだろうか、現状ではそれすらもよくわからんかったです。

 

あと、そもそも山では携帯の電波も入らないことが多いので、役に立つ条件が限られそう。自分が行く場所も尾根とかに出ないと電波が入らないことも多々あるので(NTTドコモ網)、これまた使える場所が限られてそうで微妙ですし。

 

というわけで、狩りマップ、インストールまではしたのですが、現状の登録は見送った感じです。

 

以前からこういう内容で猟友会公式アプリを開発してる話は聞いていたのだが、一番気になったのが、プライバシーポリシーにもあるような

「同じアプリを使っている人が近くで狩りをしてる場合、お知らせする機能」

の部分。

まあ、名前が「狩りマップ」だから当然そうなるんだろうけど。


上に書いたセキュリティの話以外にも、この機能はハンター同士の縄張りトラブルの原因になりかねないので、無暗に実現されると、ちと怖いなぁとは思ってたのですが、結局そのまま採用されることになった模様。

 

グーグルマップの位置情報共有機能とかみたいに、各ユーザ自らが指定と設定した任意の(グーグルの場合はグーグルの)アカウント保有者に自分の位置情報が表示と共有されるというならまだわかるんですが・・・いや、規約の内容が間違ってて、機能としては実際はそうかもしれないのだけど、いまいちその辺が書かれておらず、はっきりしないのでメリットを感じられなかった。


「じゃあ、狩猟の時はアプリをアンインストールするか起動しなきゃいいじゃん」

 

となるけど、だったら最初から使わなくていいんでは・・・と。

なんか、情報公開する相手や範囲、場所を指定できるのかすらわからないので(プライバシーポリシーを読む限りは恐らくアプリ起動時は常時送信とある)、このマップで自分の縄張りと主張するところにマークが現れると、おい知らないやつがオレたちの縄張りにいるぞ!ってことで、むしろ山狩りされそう(被害妄想)。

 

銃猟では自分はあまり聞いたことがないけど、わな猟だとわなを壊されたり、盗まれたり、人為的に空はじきさせられたりするって話はよく聞くし・・・たぶん縄張り問題で。

とはいえ、当方の場合、猟期の終わりには狩猟者登録した県と猟友会に狩猟した場所はハンターマップの地図コードを記載して報告してるので、少なくとも猟友会支部役員の人と登録してる県の担当者や県が持つDB等への登録と、野生動物やらの関連する研究者等には猟場や動物の目撃情報などは渡ってるはずだけど。

 

他人に猟場を荒らされるのが嫌というのはゼロではないけど、何せ、もしかしたら自分も他人の猟場に入ってる可能性もあるわけだし。

なので、自分が活動してる場所が全然知らない人に漏れるよりも、それ以上に嫌というか至高的に絶対に避けたいのが、銃猟の人で同じ場所にバッティングすること。

「お、あそこに誰かいるのか、じゃあ行ってみるか」

で重なるのが事故を誘発しかねないので、一番怖い(上述のネットセキュリティ以外の面より一番怖い部分)。

 

前に一度だけそういう感じの人にあってヤバいと思って場所を変えたことがある。
(県からの指示に従って止まってる車に掲げてた狩猟をしてる旨を見て、車を駐車してドンピシャで数十メートル違いのほぼ同じ場所から山に入ってきた感じ。しかも銃猟。こちらとも何の連携もしておらず。ナンバーも都内だし、地元とも間違わんだろし)

いくら自分だけ矢先を気を付けていても、撃たれる側に回るとどうにもならないので。

  

話を戻すと、まあそもそもの根本的な問題として、現状このアプリを猟友会の年配の大ベテランの方々が、しかもスマホにインストールして使うのか?と考えると、ちょっとあまり・・・いや、ほぼないような気はしてる。

猟友会の高齢化は言うまでもなく以前から問題になっており、平均年齢は60代~70代と思う。割合も6~7割、地方だと7~9割は高齢者または後期高齢者という支部もあるんではないかと。

 

結局、コロナ情報通知アプリ「Cocoa」のように、利用率が低かったり、もし感染しても報告義務があるわけではないために、コロナ情報共有アプリとしては実質的にほとんど使えない状態で問題になってるみたいになってしまうんではないかと、ちょっと思ったりしてます(※個人の感想です)。

 

「狩りマップ」も、cocoaと同じく、とにかくユーザ数が増えないと情報が集まらずに意味をなさない又は利便性が向上しない可能性が高いサービスなので、もし現状のみの機能(推定)で全面に押し出すとしたら、まず位置情報の取り扱いをもう少し考えたり、各都道府県のハンターマップを特定猟具使用禁止区域や保護区、過去に事故が起きた場所と内容とかが見れることを宣伝して、わずかでも需要がありそうな方向性で人寄せしないと厳しいんではないかと・・・・あくまでも個人の感想ですけど。

登録時に狩猟免許の番号とか詳細な情報を求めてくるわりには、メリットが見えない。

 

他にはせっかく猟友会員を特定、確認してユーザ登録させる労力をかけるのだから、猟友会員専用ドメインのメアドを提供したり・・・転送サービスのみでも可(アマチュア無線の団体であるJARLなどが同様のサービスを有料会員向けに提供してる。JARLのアカウントはコールサインが無いと作れず、JARLの専用メアドを作れる。これによりアマチュア無線免許保持者を特定できるので、アマチュア無線所持者向けのマストドンサーバを運営してる人もいる)・・・このメアドを猟友会構成員である判断基準としても使えることで、狩りマップ運営者以外の第三者が運営するサービスを利用するために、狩りマップというか猟友会公式サービスに登録する意味が出てくる=インフラになれ、当該サービスに登録する必要性が増す"可能性"が多少高まる。

 

猟友会構成員しか持てない特定のメアド[転送のみも可]で登録できることで、(解体の写真とか上げると愛護団体の人に攻撃されやすいという狩猟の性質上からも狩猟のコアな情報を集めて集客力を高めるためにも)狩猟専門SNSとか作ったり・・もちろん、猟友会が自前でSNSを運営してもいいし、そのSNSへのアクセスのためのアプリとしても狩りマップを機能させたり・・・SNSに関しては猟友会会員以外には月額有料で登録可能にしたりも可能になる。

他にも、集客するために狩りマップに登録すると猟友会員として狩猟者登録や無許可譲受申請、猟期終わりの報告が簡単に電子申請できますとか、郵送とか各支部の任意運用のSNSとかでくるお知らせをまとめたりね。何かはしないとちと厳しい気がした。

 

あくまでもこの後半部分を書きながらいくつか思いついたもので実現性実効性や運用コストも考慮しないテキトーな意見だけど、いろいろと情報を提供させて登録させるからには、強力な人集めの要素や利便性は何かしら必要に思いました。あと、大事な大事な運営コストの捻出や経営を継続させる利益も必要だし。猟友会構成員からしても「これが使いたいから、情報をいろいろ登録しても登録までの手順が面倒でも登録する!」的なものが欲しいと思う。

 

一見、否定的な内容が多いように見えますが、超絶アナログな猟友会のシステムを電子化したりするのは大賛成なので、内容を吟味しつつ、どんどんやってほしいと思います。。

 

以上、そんなわけで、「狩りマップ」アプリに関する思考経緯のメモでした。