とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

ヘルメットの装着の可能性を考慮したりしなかったり。熊、転倒対策等(徒然 2018年7月)。

次の猟期は、今季大量に誕生してるらしく、かつ、温暖化で冬眠タイミングがズレるかもしれないツキノワグマと遭遇する可能性も考慮にいれて、万一の際の一撃目、二撃目の頭部への打撃をわずかでも軽減するためと、沢を渡る時の岩場など転倒時の対策で、可能なら登山用ヘルメットをかぶりたいなーと思っていたりします。まだ検討中です。

さきに本音を言いますと、私は熊には出会いたくないです。熊の保護活動とかではなく、単に怖いから(言った!)。
メルカリやヤフオク等で毛皮や牙を売るわけでもなく、特に熊の胆が欲しいわけでもなく(尻革にするのはちょっとだけ興味がありますが、ネオプレン製でもいいような気もするし)。
300万頭いるといわれる鹿や100万頭いるといわれるイノシシほど数が増えてるというわけでもなく。
しかし、遭遇して万一に攻撃されることがあれば、そうは言ってられません。

さて、ヘルメットの話に戻りますが、猟友会は特にヘルメットは推奨していないです。
ベテランの方にもヘルメットの話をすると正直、笑われ、さらにちょっと馬鹿にもされます。
 
しかし、昨年も不鮮明ではありましたが、これまでの地元の人の長年の実績から熊がいないはずの地域にて、大きさからツキノワグマと思われる雪上の足跡は実地で見ていますので、こんな心配もしてしまうわけです(写真は震えあがって?シャッターが切れておらず)。

ただ、ヘルメット着用については少々問題があって、電子イヤーマフとの兼ね合いで躊躇している感じです。
現状持っている電子イヤーマフ(ヘッドホン型をしている)だと、そのままではヘルメットとの同時使用は難しい形状です。
しかし射撃音対応の電子イヤホンは手持ちの電子イヤーマフ6~7個分くらいのお値段なので、そこが悩みどころ。
米軍等の兵士がつけているヘルメットにつけられるタイプの電子イヤーマフもあるようですが、レプリカでなくきちんとしたものは値段はさらに高い感じです。

耳栓やイヤーマフそのものをしない選択肢もありません。
銃砲店の方や射撃場でよく出会う方のように、聴覚神経がやられて非常に耳が遠くなったりする可能性が高まるのと、耳栓や電子じゃないイヤーマフ等は周辺の音が聞こえなくてちょっとありえないため(余談ですが、強い風が吹き続けたり沢の水音が連続して聞こえるような状況など場合によっては、手持ちの電子イヤーマフより素耳の方がよく聞こえます)。

射撃音対応の電子イヤホンの一例はこちらです。
 ・ETYMOTIC RESEARCH (エティモティックリサーチ) GSP-15



話がまた脱線しましたが戻しまして、なぜ「一撃目、二撃目」なのかといいますと、ツキノワグマ関連書籍等やネットで実際の負傷事例(写真や文章など)を見ていると、どうやら一撃目、二撃目など最初の方で特に頭部や顔に大ダメージをくらって、その後は熊が去って行ったり、逆に一撃目、二撃目でうまく攻撃できないと逃げたり、(明らかに人間を食物と見て食べようとしてる秋田の一部の熊のような事例以外は)大怪我までのダメージは受けなかったりというパターンも多い感じのようなのです。

動物相手ですから必ずそうだということではありませんが、秋田の食害熊の事例以外では、基本的に最初の方の攻撃をある程度防げたり、軽傷で済めばツキノワグマ側が先に逃げていくことも多いのかなという印象を受けています。
つまり、最初の攻撃への対処が肝心と。

あとは、ツキノワグマに多い攻撃方法として、立ち上がって両手でこちらの頭を挟んで動けなくして、上から頭をガブリというパターンもよくあるようです。
ツキノワグマではなくヒグマの事例でもバックパックにつけていたヘルメットを頭だと思って?噛んだために助かったという事例もあるようです。

環境省知床先端部地区でのヒグマ対策 実際にあった遭遇例2より。
https://www.env.go.jp/park/shiretoko/guide/sirecoco/bear02/ 魚拓 http://archive.fo/BT55t

ヒグマの牙が貫通したヘルメットの写真@環境省サイトより引用
ヒグマの牙が貫通したヘルメット(from 環境省ウェブサイトより)
 


 環境省のサイトにあった写真は「瀕死の」ヒグマの事例でこれなので、より体が小さいツキノワグマなら、もう少しなんとかなりそうな気もしなくもない今日この頃です。
このヘルメットの材質はABSかFRPかな。噛みついたヒグマの口を開いた時の大きさは15~20cmくらい?

しかし、こればっかりは実地で試すわけにもいかないので、聞いた話で備えてみるしかありません。

ただ、体重200、300kg~も多々いる北海道の「元気な」ヒグマ相手だとヘルメットがあっても打撃で首の骨が折れて即死する可能性もかなりありますので、こんなにうまくはいかないでしょう。
しかし、60~150kg前後までの本州のツキノワグマなら即死まではいかずに済む・・・いや、済んだら嬉しい、出来ればそうあって欲しい、是非そうして欲しい、絶対そうなったら嬉しい、なと(悲観的希望)。

 昨年も、いちおう木に頭をぶつけたり等の対策で、帽子の下にかぶれる簡易ヘルメット的雰囲気のプロテクターをつけていたのですが、さすがに熊相手では無理そうです。
あ、この帽子の下にかぶれる簡易プロテクターですが、木や太い枝などへの「ゴィン!」くらいのぶつけ方だとかなり軽減されます。 でも暑いです。
 
まあ、そんなこんなで最近は普通の登山でもヘルメットが推奨されてきてるようですし、ヘルメットいいかなぁ・・・なんて思っています、ヘルメット。

それに、ヘルメットマウントで4Kアクションカメラもつけられますしね(アクションカメラ持ってないですけど)。

一応書きますが、ヘルメットを付けたら絶対安心とかないです。
「運が良ければ」「軽減」できる「可能性」があるだけです。

防御による腕のケガ(牙による噛み傷、爪による切創傷、打撃による陥没や骨折)も多く、転んだ拍子に下半身を噛まれる例も多々あります。

ここまでこの徒然を辛抱強く読んだ人が思っているであろう
「銃を持ってるんだから撃てばいいだろ」
という点についてですが、熊等がいるとわかっていれば実包を装填しますが、そうでなければ通常は装填していません。

年配の方などは、山に入る前から、または山に入った瞬間から、いや林道でも、移動時も、狩猟対象の存在の有無に関わらず実包を装填している方もいらっしゃると聞きますが、私が所持した時はそれは銃刀法上の不法装填と教えられているため行っていません。安全上でもです。法律上の問題であり、違反すると即取り消しコースなので仕方ないです。

そうなりますと、場合によってはツキノワグマの接近速度の速さ(時速40~60km/h?)から実包の装填が間に合わない可能性もあります。熊が木の上から降ってくるパターンも結構聞きます。

参考:ツキノワグマのスピードの一例。
https://youtu.be/_ItPnmx3X68?t=100

この場合、沢の音でお互いにあまり音が聞こえず、接近してしまったという感じでしょうけど。この速度で寄られると、手に2発くらい持っててもたぶん装填が間に合わないです。

なので、銃の他に、今季から登山の時や下見の時に山の中で身に着けている小型の熊用スプレーも腰につける予定です(噛まれたり、切られたりとダメージはくらっても、致命的になる前に何とか追い払えたらラッキーくらいですが)。

ナイフに関しては、体重60kg~150kgとは言え、生まれた時から毎日山野で鍛えている筋骨隆々のマッチョで刃物のような切れ味の爪をもつツキノワグマに、少年漫画の主人公とかではない私のような一般人類がナイフを持ったところで無理そうなので、基本的にはナイフでの対抗は考慮していません(ある程度の長さの長槍ならまだしも)。
鹿やイノシシへの止め刺しや、同じく放血用途です。

他には、クマ研究者の方曰く、(ガスなどで)急速に大きく膨らむ黒い風船的なもの(こちらを大きな熊に見せるらしい)や、スコップ(大きな熊の手に見える可能性)なども、こちらが物凄く巨大な熊に見えて効果があるかもしれないとのことです。

じゃあ、もう防刃プロテクターとか防弾チョッキも着たらいいだろチキン野郎め、なんて言われそうですが、そこは重さとの兼ね合い。

銃と装弾だけでも5kg(スコープ付き+装弾)くらいありますが、転倒や小規模な転落での頭部を守る意味も考えると400gくらいの登山用ヘルメットは着けてもいいかなと感じです。

というわけで、ヘルメットの装着の可能性を考慮したりしなかったり(徒然)という思考の羅列でした。

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最後に。
ツキノワグマによる怪我の写真は実際にネットで検索するといろいろと出てきますが、以下のは結構マズい方なので、上の文章から離してURLだけ貼ることにしました。

グロ超注意
(グロテスクなので心臓が弱い方等ご遠慮ください)

クマ外傷の 4例ツキノワグマによる怪我の実例写真。2ページ目以降、眼球が飛び出してたり、頭の皮が剥がれてたり、腕の肉が欠損したりしてしますので、ダメな人は本当にご注意ください)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjaam/22/5/22_5_229/_pdf

一例目は2009年に乗鞍岳のバスターミナルで襲われた方の事例のようです。

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2018/07/31追記:
各種コメント類をあちこちで見ると、ヘルメットと併用できるっぽいネックバンド型の電子イヤーマフを見つけたので米アマゾンの方で注文してみました。
別記事にします。