とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

ベネリ・スーパーノヴァ用チャンバー・セーフティ・フラッグ(or プラグ)の3Dプリントデータ


 ベネリ・スーパーノヴァ(12番)用のチャンバー・セーフティ・フラッグを作ってみました。

まず始めに。
自己責任で使用できる方にのみ、データおよび出力した実物の使用を許可します
(まあ、使う人はいないと思いますが・・念のため)

Chamber Safety Flag for Benelli SuperNova 12GA
https://www.thingiverse.com/thing:3300156 


※作成したセーフティフラッグ(セーフティプラグ)を装着した様子。銃身は外してあります。

とりあえず作成したVer.1のデータをThingiverseにアップロードしました。
Ver.1は角がフィレット処理がされてないので、家庭用3Dプリンタでも綺麗に印刷しやすいと思います。

実際、どのくらいの強度なの?というのは動画でアップロードしてみました。
上記データを全て3D印刷すると6cmくらいですが、全部印刷すると材料が持ったないので、実物に合わせてみて確認するために2cm分だけ出力したもので破壊テスト。 

形状の元ネタはThingiverseにアップロードされていた以下のデータです。

Semi-Auto Safety Plug
by chaspickering Dec 11, 2017

 https://www.thingiverse.com/thing:2705591

こちらは、chaspickeringさんが自分の銃砲店のお客さん用?に作ったものを公開しているようです。ただ、こちらのデータはスーパーノヴァだとサイズが大きくてそもそも薬室に入らず、ダウンサイジングした時も他にも形状修正が必要だったため、こちらの形状を参考にしてFreeCADで作成しました。

作り方と形状は単純で2次元のXY軸平面に作り、それにZ軸方向に厚みを作っただけです。
まだアップロードしていませんが、一応、フィレット処理で角を丸めてあるVer.2もあります。

今回作成したチャンバー・セーフティ・フラッグを銃に正常に装着した状態だと、装弾が入っていないという目印になるのと、物理的に装弾の押し上げ機構やボルトの動作を阻害するため装填や薬室閉鎖ができません。

また、構造上、今回のセーフティフラッグを付けていてもスライド機構は僅かに動きますが、それ以上は物理的にボルト等に当たるので閉鎖できなくなります(この状態からセーフティフラッグを外せば通常通りに動きます)。

スーパーノヴァの場合はスライド機構を完全に固定するには、今回作成したデータにボルトの先端を押さえるパーツを付けるか、装弾を押し上げる機構を押さえる部位を加えてやらないとダメそうな感じです。
(ちなみに、形状の参考にしたSemi-Auto Safety Plugだと次弾を押し上げる機構の動作を押さえる構造になっているような気がします・・・手持ちでSemi-Auto Safety Plugを使える自動銃を持ってないのと、元の設計思想の通りにはきちんとハメこめなかったので想像ですが)

今回、作成したデータを3Dプリントで出力して使うと以下の写真のような感じです。
より使いやすいように暇な時にでも改良していくかもしれません。



ここから、図面とデータの作成についてグダグダと書きます。

最初は単純に上記で紹介したSemi-Auto Safety PlugをWindows10に無料で入れられる 3D Builderを使って、ちょこちょこっと幅などをダウンサイジング→3D印刷して使おうとしたのですが、ベネリ・スーパーノヴァで使うには薬室の内部形状に合わせて一部の構造を変えたり、スコープが付いている場合でも付け外しがしやすいようにしたくて、結局、参考データの形状をインスパイアしつつも、ベネリ・スーパノヴァの薬室等の実寸を測って適当に寸法を調整した図を1から書いて作ってみました。

FreeCAD Ver0.17での下絵は四苦八苦しながら、マニュアル等を眺めつつグーグル先生に聞きながら数時間くらいで出来たのですが、立体形状にする時に何やらいろいろと良くわからないエラーが出て、その対応に悩んでいろいろと調べたり弄ったり、「よし、寝て起きたら解決してるかも」、「ご飯を食べてるうちに解決してるかも」、「出かけているうちに解・・」etc.とお茶を濁してるうちに完成までに実働で数日かかってます。
(うわっ...私の能力低すぎ...?   画像省略)

Fusion360とかの他の有名3Dモデリングソフトだとハマらなかったのかもしれませんが、権利関係が面倒臭くなさそうだったので頑張ってFreeCADで処理しました。

ちなみにオープンソースの3Dモデリングソフトで有名なBlenderは過去にもチャレンジして、今回も神速で挫折しました。


次にプリントと材料について、
うちのAnycubic i3 Mega with Ultrabase +ヒートベッド付きで3Dプリントした状態のものです。
素材は今回は以下のものを使用しています。
私が撮った写真よりアマゾンの写真の方が実物の色に近い感じがします。

SUNLU 3DプリンタフィラメントPLA Plus、1.75mm PLAフィラメント、3Dフィラメント低臭気、寸法精度+/- 0.02mm、3Dプリンタおよび3Dペン用LBS(1KG)スプール3Dフィラメント、(Orange)

https://amzn.to/2Cq6ylR
印刷方向としては2つ上の実際に出力したものの写真の左から右に向かって(右から左でも同じ)印刷されたものの高さを積み上げていくようにして、薬室に装着する時の曲げ動作には強くなるようにデータの向きや印刷方向を設定しています。

PLA系の素材は私が当初想定していたよりも、折り曲げやら引っ張りる力に対して粘りあり、突然ポキっと折れるような風でもなく、意外とこういう用途でも使える感じがしています(靭性とかなんとかやらの知識もなく、3Dプリンタや使用素材の経験も無さ過ぎて正解かはわかりませんが)。

実際の装着を想定した100回くらいの軽い折り曲げでは割れなかったので、少なくともクレー射撃4ラウンドx25回くらいは持ちそうですが、基本的には消耗品です。

強度としては頂点の円弧部分か積層と積層の間が弱そうなので、割れる時はそこから割れそうな気がしています。

当方の3D印刷環境だと、積層時に同一平面部分の一部に隙間が空いてるので、まだスライサーの設定の調整が必要そうです。
スライサーはUltimaker CURAを使用しています。

CURAの設定は現状、以下のような感じです(ほとんどデフォルト)。

・初期レイヤー高さ(Intial Layer Height): 0.35mm(これだとサポート等なしでうまくいくとネットで見たので、とりあえずの値)。
・レイヤー高さ(Layer Height): 0.05mm or 0.1mm(要するにその日の気分や雰囲気で。試作品だと0.3mmくらい)。
・インフィル密度(Infill): 25% or 100%(完成品の重さでいうと1g未満の差)
・プリント温度(Printing Temperature): 215°C(試行錯誤中)。
・ビルドプレート温度(Build Plate Temperature): 60°C(試行錯誤中)。
・印刷速度(Print Speed): 50mm/s(25mm/sでやってみてもあまり変わらない気もしたので)。
・冷却ON、ファン速度(Enable Print Cooling): 100%(試行錯誤中)。
・サポート(Generate Support): なし(試行錯誤中)。
・ビルドプレート接着タイプ(Build Plate Adhesion Type):なし(試行錯誤中)。

当方の環境だと、Ultrabase+ヒートベッドを使っている場合、印刷前にガラス面に濃度75%のエタノールを吹き付けて綺麗なタオルで拭いて乾かしてから印刷開始すると、しっかりと密着してくれる感じです。
固定にスティックのりを使ってももちろん構いません。

印刷したものの重さですが、CURAのほとんどの設定はほぼ初期状態のままでインフィル 25%のものが実測で22.3g、100%でも22.8gで差は0.5gでした。

この印刷方法だと、ベッドへの接地面がガタガタになりますので、そのうち、接地面も綺麗に印刷できるらしいという

3M 3Dプリンタープラットフォームシート(3枚入) ABS/PLA対応 3099AB

とかも使ってみたいと思います。

以上、 ベネリ・スーパーノヴァ用チャンバー・セーフティ・フラッグ(or セーフティ・プラグ)の3Dプリントデータの紹介でした。