とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

銃や装弾の運搬方法について

銃の所持許可をいただいてから困ったのが、銃の運搬方法です。
射撃場に行くときなどに、車や電車で銃を運搬することがあります。

銃を購入した時にいただいた猟銃、ライフル用のガンケースに入れて持ち歩くと、電車の場合は少しだけ目立ちます。車の場合はこの限りではないですが、後述のトイレなどを借りる時も便利です。

所轄の方には「貴方は銃の所持許可を正式に持っていて、所持許可証も携帯してるのだから、きちんと法に基づいてケースにも入れて運搬してるし、何の問題もない」とは言われましたが・・・・やっぱりセキュリティ面と視線は気になりますよね。

布と革でできた「これはガンケースです!」って主張があるガンケースに散弾銃を入れていても、当然、むき出しであるわけではないので、恐らく皆さんが想像しているよりは意外と気にはされないのです。

 たまーに「この人、ずいぶん長いものが入ったバッグを持っているな・・サバゲとか?魚釣り?何かのスポーツ?」という感じで見られる程度です。

あと、欧、米のどちらかと思われる旅行者っぽい外国人に「あれ?、これ銃じゃね?」って顔で見られたことはありました。
たぶん、軍や警察等にいたことがあるとか、身近で見たとか所持してるとかで銃やガンケースを知ってる人です。

ほとんどの日本人は実物の銃に接する機会はないので、わかりません。
せいぜいモデルガンでサバイバルゲームをしてる人とかかな?という程度。

それでもやはり、少しでもリスクを減らす意味もあって、最近は旅行用スーツケースに入れて持ち歩いています(先台はスーツケースとは別に鞄に入れたり)。
所持許可を持っている26インチの上下二連の散弾銃の場合、分解すると70cm以内くらいに
収まる長さです。

余談ですが、自動銃は例えば26インチでも上下二連銃と比べると、組み立てた全長は目測で2~3インチくらい長いです。射撃場で並べてみて気づきました。
狩猟用などで全長が短い銃を欲しい場合、上下二連よりも2-3インチ短いのを選ばないと上下二連の同じインチくらいの全長にはならないことになります。

銃身長自体は規制がありますから、分解して外した銃身自体は同じく26インチだと思いますけど(自動銃はまだ所持していないので)、銃身の終端の形状も違いますし、多少計り方が違うっぽいので、少しだけ長くなるような感じかと思います。

さて、スーツケースの話に戻りますが、いろいろサイズがある中で銃が入るかどうかをよく検討し、少し余裕を持った長さを計ってから購入しました。もちろん鍵もかかるものです。

スーツケースにしてからは、東京都内に関しては空港に向かったり帰って来る旅行者が早朝から深夜まで、平日、土日休日問わず電車に乗っていることもあって、電車で運搬しても「よく見る光景」という感じで気にも止められなくなりました。

装弾は電車で運んだことはありません。運搬できる数量や方法に規制があったり、何しろ銃だけでも重いです。

東京近辺の駅は基本的にエレベータやエスカレータもあることが多いですし、スーツケースは車輪がついているので、重さが例え10kg以上あってもコロコロと転がして運べるので便利ですが、装弾については後述の様に他の荷物と同じ鞄等に入れる混包不可だったり、個数など制限が多く、大変なので公共交通機関では持ち歩かないようにしています。

※実包または空包を公共交通機関で運搬する法律、規定に関してですが、2017年現在のところ電車、船舶は200発で少し余裕がありますが、タクシーやバスは50発ですから、ちょっとクレー射撃の練習用としては足りません・・この数字を信じずに各自、毎回最新の法規制を必ず参照ください。強調しておきます。

銃によって長さも違いますから、この方法が使えない場合もあると思いますが、スーツケースが便利な点は例えば移動途中にどうしてもトイレに行きたくなっても行きやすいことです。

これは車での移動でも同じです。
当たり前ですが、 人間ですから大便も小便も出ます。お腹の調子が悪くなったからと言って毎回、適当に漏らすわけには行きません。かと言って車に銃や装弾を置いたままだと銃刀法などの違反になります。
スーツケースは大きいですから、トイレに忘れることも無いと思います(警察官がトイレに銃を忘れて大騒ぎになることがありますが、さすがにスーツケースの大きさだと忘れないと思う・・・)。

駅やコンビニなどトイレを借りる時にスーツケースをゴロゴロしてても100%旅行者か出張者にしか見えませんから、電車だろうと徒歩だろうと他の人から注目されることはありません。
もちろん絶対にスーツケースを他人に預けたり、目を離してはいけません。必ず個室まで持ち込みます。

他にもスーツケースの利点は掃除道具や射撃ベスト、シューティンググラス、イヤーマフ、着替えなどもまとめて入れて運べることです。

ちなみに銃身や機関部は、さらに万一、スーツケースの鍵等が壊れた場合に備えて、三脚や楽器をしまえるようなファスナー付きのケースに入れてあり、いざとなればスーツケースを置いて、中の銃が入った袋ケースと許可証だけ持ち運べるようにも考えています(大規模災害やテロ、火災などで身軽に動けるように)。

電車の場合は服装も如何にも「射撃です、狩猟です」のような恰好はしておらず、着替えだけケースの中に入れてあります。車の場合も射撃場についてから着替えたりしています。
最後に、スーツケースを使わない場合でも、ちょっとした運搬のコツとしては、平日の朝夕の満員電車に乗らないかなと思います。スーツケースなら邪魔になるので尚更ですが。

ハードタイプのガンケースでない限りは、中に何が入ってるかわからないということもありますし、仕方ないのないことでもありますが・・・電車がブレーキをかけたり、乗り降りで押されたりで体重をかけて荷物に寄りかかってしまいそうな人がいますが、あれをソフトケースにやられると不味いと思います。

 あと、立っていたりで脇に立て掛けたとしても絶対に手を離さないことです。
倒したら衝撃で先台等が割れて泣くことになるかもしれません。
万一の盗難にも備えられます。さらには居眠り厳禁

最近は縦に細長いスーツケースもありますし、1つの方法としてこういうやり方もあるんだなという程度に参考にしてください。


2017/11/07追記:
装弾の運搬方法についても追加。

※運搬できる個数や方法については各自最新の法律・規制を参照し、行動する場所の都道府県の警察署に問い合わせるなどしてください。

装薬銃で使用する装弾については火取法(火薬類取締法
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000149&openerCode=1
が関係します。

これら関連法律の条文にもありますが、別途、「内閣府令」で詳細が指定されている事項もありますので、全部を追いかけると結構ややこしくて大変です。

火薬類の運搬に関する内閣府
(昭和三十五年総理府令第六十五号)
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=335M50000002065&openerCode=1

とかもありましたが・・・。

よくわからないので、他のところを調べると、装弾の運搬については、日本猟用資材工業会のサイトが参考になります。
http://www.saama-japan.com/howto/kyoka03.html

日本猟用資材工業会のサイトには

「火薬類は他の物と混包したり他の物にみせかけて運搬してはならない。」

という記載がありますが、これは火薬類取締法

(火薬類の混包等の禁止)
第三十八条 火薬類は、他の物と混包し、又は火薬類でないようにみせかけて、これを所持し、運搬し、若しくは託送してはならない。

という部分を引用しているようです。

日本猟用資材工業会の上記URLの絵にもありますが、
http://www.saama-japan.com/howto/images/img09.gif

装弾は他の荷物と同じ鞄に入れたり、何も表示せずに箱に詰めたりしてはいけないということです。

この絵を見ると、他の荷物と一緒に旅行鞄に入れたり、みかん箱に入れて蜜柑が入ってるように見せかけている図にバツ印がついています。

容器についても調べたのですが、よくわかりませんでした。

銃砲店が売っているケースの素材はABSやアルミ製っぽく、あとは、米軍の弾薬箱は小銃弾などはスチール製、砲弾は木箱っぽいので、つまりこの辺の材質なら大丈夫なんだろうという感じです(多少あきらめムード)。

他には猟銃等初心者講習会でもらえる「猟銃等取扱読本」(平成27年3月1日発行の第16訂版)を見ると、128ページには、以下のように記載がありました。

----ここから

実包の運搬
1・運搬の数量限度を守ること
第1編で各交通機関を利用する場合の持込数の限度が示されていますが、これをオーバーして持ち込むことはできず、また、数量がオーバーだからといって、同行者に持ってもらうことは許されません。

2・完全な包装をすること。
実包を運搬する場合、利用する交通機関がどのようなものであれ包装を完全にして、安全に運搬するように心掛けなければなりません。
適当な空き箱にバラ詰めする程度では、運搬中に実包が傷つき、損なわれる可能性があるので、必ずぴったりと空きのない容器に入れる必要があります。
また、実包は相当に重いので、容器もそれに耐える丈夫なものが必要です。

3・違法な運搬手段はとらないこと
遠隔地に狩猟に行くとき、実包を郵送したり、内容物を偽って運送業者に運ばせるなどの違法な運搬方法は絶対に行ってはなりません。また、自動車で行く場合は、車中に実包を置き去るようなことをしてはいけません。

4・銃と一緒のケースに入れないこと
同一のケースに銃と実包を入れて運搬するようなことは、盗難、紛失した場合の二次的犯罪の防止の観点から厳に慎むべきことです。

----ここまで

上記、猟銃等取扱読本の記載については、上記引用部分について記載した法律、規定の記載が見つかりませんでしたが、暗黙として妥当な内容かなと思います。

鍵についても、調べ始めた当初はちゃんと厳重な鍵付きの又は鍵が付けられる金属ケースに入れないとダメなのかなと思っていたのですが、我々がクレー射撃で持ち運べる個数の装弾については、法律をいろいろと調べても、特にそういう記述は(私が調べた限りでは)見つかりませんでした。

実際、銃砲店でも鍵がかからないか、ダイヤル錠や突破が容易な簡易な鍵しかついていない樹脂やアルミ製ケースしか売っていないので、それほど厳しい規制はないのかもしれません(「簡易な鍵」と書いてる理由は、防犯上のこともあり、詳細な記載は避けます)。

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2019/07/03追記:


平成31年3月26日付けで銃の運搬に関する警察庁の通達が出ていました。
銃の運搬時の行動について少しだけ具体的になった感じでしょうか。
ただ、結局、運用するのは各地の警察官および警察署ですから、気になった点や疑問点があれば、必ず確認するようにした方がいいかと思います。

-----------内容から一部抜粋ここから---------------------
https://www.npa.go.jp/laws/notification/seian/hoan/hoan20190326-56.pdf
警察庁丁保発第56号
平成31年3月26日
警察庁生活安全局保安課長

警視庁生活安全部長、各道府県警察本部長殿

狩猟等のため車両で移動する場合の携帯、運搬、保管について書いてありますので、銃所持者は読んでおいて損はないかと。


狩猟等のため車両で移動する際における猟銃等の携帯、運搬及び保管に係る留意事項について(通達)

猟銃又は空気銃(以下「猟銃等」という。)を携帯、運搬中に、急病、用便、必需品の購入等のやむを得ない事情等が発生した場合においても、銃砲刀剣類所持等取締法(以下「法」という。)に基づき適正な携帯、運搬及び保管を行う義務があることは当然であるが、今般、このような状況下における留意事項を下記のとおり取りまとめたので、猟銃等講習会等の機会を活用して、あるいは個別の状況に応じて指導を行うなど、適切な対応に努められたい。


1 急病等のやむを得ない事情が発生し、猟銃等の携帯等が困難となった場合

猟銃等の所持許可を受けた者(以下「所持許可者」という。)が、猟銃等を車両で運搬中に急病になり、当該車両に猟銃等を置いたまま救急車で搬送される場合等、猟銃等を自ら携帯又は運搬することができないことが社会通念上やむを得ないと認められる事情が発生した場合、許可に係る猟銃等を自ら保管しないことについて正当な理由があり、法第10条の4第1項に違反しないことがあるものと解される。
しかしながら、このような場合においても、法の趣旨に鑑み、盗難等を防止するための可能な限りの安全措置を講じる必要がある。
なお、このような事情が発生した場合において、同乗者である共猟者等にあっては、盗難等を防止するための安全措置を十分に講じつつ、速やかに最寄りの警察署に届け出なければならないところ、その間における当該猟銃等の所持は違法性が阻却されるものと解される。


2 許可用途に随伴する必要な行動のために猟銃等を置いたまま車両を離れる場合

狩猟、有害鳥獣駆除、標的射撃の許可用途のために猟銃等を車両で運搬中、食糧等
の必需品の購入、用便等当該許可用途に随伴する必要な行動のため車両を離れる場合には、猟銃等を携帯することが原則であるところ、同猟銃等を置いたまま車両を離れざるを得ない事情が発生した場合においては、適法な「運搬」と認められる範囲内で行われ、猟銃等の盗難等の防止のために安全措置が十分に講じられているのであれば、法第10条第1項及び第10条の4第1項に違反しない場合があるものと解される。
この場合において、当該行為が適法な「運搬」の範囲内にあると認められるためには、車両を離れる時間、距離、周囲の状況等に鑑みて、社会通念上是認される最小限度で、なお依然として所持許可者の事実上の支配下にあると評価される態様によって行われる必要がある。


3 猟銃等の保管設備のない宿泊施設等に宿泊する場合について

狩猟等の際に、猟銃等の保管設備のない宿泊施設等に宿泊する場合、所持許可者は、法第10条の4第2項の規定により、内閣府令で定める基準に適合する設備及び方法により保管することが免除されている。
しかしながら、法の趣旨に鑑み、宿泊する居室の施錠等はもとより、

◯ 猟銃等を施錠したケースに入れ、押入れ等の目立たない場所に毛布等をかぶせて保管すること
◯ 先台等の重要部品を取り外し、その他の部品とは別に、例えば貴重品を入れるための施錠できる設備等に保管すること

など、宿泊施設等の状況を踏まえつつ、猟銃等の盗難等の防止のための安全措置を十分に講じることが不可欠である。
なお、猟銃等を車両内に置いたまま宿泊施設等に宿泊する行為は、一般的に自らの勢力範囲内にて保持しているとはいえず、適法な「保管」の範囲内にあるとは認められないことから、法第10条の4第1項に違反するものと解される。

4 その他
(1) 個別の事案に応じた適切な対応について

猟銃等を置いたまま車両を離れる事案を把握した場合等には、個別の事案ごとに対応等が異なることを前提としつつ適正に対応すること。
また、特異な事案及び法の適用に疑義が生じる事案を取り扱った際は、当課銃刀危険物係に質疑等を行うこと。


(2) 猟銃等の先台等を取り外し金属性弾丸を発射できない状態にした場合について

猟銃等の先台等の重要部品を外し、金属性弾丸を発射できない状態にした場合であっても、これらの部品を組み立て、容易に発射機能を備えた状態に復元できる場合は銃砲に該当し、自ら保管する義務は免除されないことに注意すること。


(3) 実包等について

実包等の運搬及び貯蔵については、別途火薬類取締法及び火薬類の運搬に関する内閣府令等に規定があるので、適切な運搬等について指導すること。
なお、実包等を猟銃等とともに車両に置いたまま当該車両を離れることの危険性に鑑み、実包等は携帯するなどの安全措置を十分に講じるよう指導すること。

-----------内容から本文抜粋ここまで---------------------