とあるハンターの外部記憶

かりびと見習い。釣り人的な。

Vector Opticsについて調べた情報、印象、その他(2020年2月下旬)※過去のアップ忘れ記事。

※昨年2020年2月にほとんど書き終わってたのに載せるのを完全に忘れてたメモをアップ。デスクトップに転がってた・・・。
※コロナで射撃に行ける回数と時間に制限があったので、実はまだドットサイトは載せてためしてない・・・。

※書いてある感想など内容は全て個人のテキトーな調査や推測および見解で実態とは違うこともあります。 仕事等で使うから絶対正しい情報が欲しいんだという場合はご自身で調査してください。

 

AliexpressでVector Opticsのドットサイトを注文した時に、スコープやドットサイトの質ではなくベクターオプティクス(vector optics)という会社の方について軽く調べた個人的なメモ。

春節が明けても新型肺炎(Covid-19)で中国国内の移動規制により道路が封鎖されたりして、物流自体がほとんどストップしてるようで、届くまで相当に時間がかかりそうだったため、購入自体を一度、キャンセル。これもアップもしない予定だったのだが・・・いつの間にか購入キャンセル自体がキャンセルされてたのと(Aliexpressではたまにある)、意外と早く届く感じになったのと、せっかく調べたので一転、アップ。

 

以下、調べた内容の羅列。
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Vector OpticsのAliexpressの販売サイトについて調査。

中国では少し有名になったところの製品はすぐに偽物が出たり、オフィシャルじゃないところでコピー品が売られることも多く、偽物を掴まされないためにもオフィシャルの販売かどうかということと、サポートにも関わるのでオフィシャルで買うことに大きな意味が出てくる。

結論としては今回購入したところはオフィシャル販売サイトだった。

Vector Optics Store(Aliexpressのショップサイト)
https://www.aliexpress.com/store/204909

Aliexpressには「上海旭洁威特商贸有限公司」で登記されている。
https://sellerjoin.aliexpress.com/credential/showcredential.htm?storeNum=204909&spm=a2g0o.store_home.pcShopHead_6142229.0

上記リンク先の会社名から調査すると、
https://xin.baidu.com/company_detail_39445626474288
上海旭洁威特商贸有限公司のCEOは"沈旭生"(ピンイン:shen xusheng、英語名:Stephen/Steven Shen、日本語的に発音すると、シェン・シューシャン)氏。

さらに、同サイトに記載がある関連企業の上海旭洁威特光电科技有限公司https://xin.baidu.com/company_detail_24574742915870)という会社も同じオーナーで登録されている。

いずれも2007年に登記されているが、公式サイトを見ると、創業自体は2005年になっている。

営業許可の登記内容を見ると最初から対外貿易の会社として始めたのかなと思われる。
(先に中国国内で何か売ろうと始めた感じではないという意味。昔は商売での輸出入許可は誰でも取れるわけではなかったため、それなりの資金かコネかツテがある人であることは推定できる)

CEOのFacebookのページもあった。

Stephen Shen(vector optics riflescope)
https://www.facebook.com/vectoropticsscope

ベクターオプティクスの公式サイト。
https://www.vectoroptics.com/


CEOが動画で話してるのもあった。
「このスコープがスゴい! Vector Optics 訪問記 Continental 編」
https://www.youtube.com/watch?v=SPZuqeFCKcM

などなど
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・・・・という感じで調べていったのだが、以下あくまでも「※個人の感想」として。

Vector Opticsについては、中国国内ではAlibaba系サイト以外では会社情報のようなものしか名前が出てこないため、海外向けにいわゆるノーブランド品を製造またはどこかが製造したものに自社ブランドを乗っけて販売している少し山寨風味の会社だなという印象を持った。

ノーブランド品を製造または販売してるところの多くは同様の感じで、アリババくらいでしか情報が出てこない。
当初から感じた空気感どおりではあるが、補足すると、少なくともVector Opticsは山寨に近いとは言え自前の公式ウェブサイトを持ってるだけかなりまとも。

(※補足すると、山寨=シャンジャイ・・・にはあまり良い意味はない。出処も質も不明なバッタもん的な感じである。中国製品でいうとノーブランドで比較的低品質な商品だったり、そういう製品を作るメーカである場合に使われたりする。Amazon日本でいうと写真は同じで商品のブランド名だけ変えて大量に売ってるような中国製品とかは「山寨」な品が多く、そういう商品のコメント欄を見ると感覚としてわかると思う・・・今はamazonでも写真だけ同じでも中国では比較的品質が良い方の完全なノーブランドよりはマシな品を売ってる場合もあるけど、中国を知らない人には判別はできないと思われる・・・。これをVector Opticsの会社の人が聞いたら怒るかもしれないが、あくまでも中国製品に対する経験からくる個人的感想なので・・・)

これが何を指すかというと、実銃用とうたっていても本当に12番スラッグを撃ったら壊れるか、ゼロインがズレるような製品ということも十分に想定できるということ。

では、ここまで散々に書いておいて、それでもVector Opticsの製品を買ってみたのは、最近の中国製品は分野によりかなり品質が上がってきており、そのことに対する淡い期待感があったため(中国製品に対する懲りないチャレンジ、昔から挑戦しては結構やられてる。成功もあるけど。)。

Vector Optics製品ではないけど、前に買った中国のノーブランドのレーザ測距計もレンズの質が値段なりだったり多少の粗はあるけど、測距の精度含めて必要十分だったし、その他も完璧を求めず、よくよく選んである程度割り切れば、今の中国製品はそこそこ使えてるものもそれなりにあるというのは書いておきたい。

(日本での話ではないですが)過去の実経験から平均で1年数回は壊れる新品家電その他、かの国の国産で、現地にいた多くの皆様が経験するかもしれない製品は徐々に過去のものになりつつあるのかもしれない・・・と願いたい。

こういう思惑もあり、Vector Opticsも試してみようかなと思ったのと、一応、12番の散弾銃や30-06などライフルも含めた様々な実銃で耐久試験をしたりもしてると主張してるようだし、これまでも海外向けにそれなりの量を売っているようなので、どこか海外の有名どころのOEM品を生産してたりもしてそうだな、またはそういう海外企業から請け負ってOEM製造してる工場やメーカからも仕入れてそうだな・・という淡い期待もあった。

これは、どういう論理かというと、例えば、台湾の代理製造企業などの国際ブランドの大手メーカのOEMをしてる企業の製品の場合、大手のブランド名がついてなくても代理製造企業が生産している製品であれば、完全には海外大手向け並みの品質ではなくても、最低限の品質を期待できるかもしれないという話。

例えば、アップル社の厳しい品質要求に従ってiPhoneを製造する技術があるのであれば、iPhoneとまったく同じとは言わずとも、自社で独自に売るものは部品などのコストを下げたものを使っていてもある程度の品質のものを作れるはずという考え。

Vector Opticsもそれなりに数を製造または販売してるようだし、上述のようなことと同じようなことは・・・ないかな・・・あるかな・・・どっちの方かなという期待をしてみた感じ(散々な言いようだけど、たまーには、この思惑でうまく行くこともある)。

スコープやドットサイトについては、海外の有名どころのブランドも結局は低価格のエントリーモデルは中国生産が多く、特にドットサイトについてはスコープやカメラのような複数枚のレンズの複雑な組み合わせをしてる程でもなく、ソフトウェアの処理もほとんどなく、レンズなど光学面でのノウハウが足りなくても、レンズならレンズ製造メーカから部品を買ってくればそこそこの物を作れるようになってきてる感じがしたため、だったらドットサイトについては最初から中国ブランドのものを試しに買ってみたらどうかなと考えた。

中国生産品を委託製造したり、仕入れて売っている場合、製造された製品にさらにブランドを付ける海外の会社等の利益や管理費その他が上乗せされたものが製品価格になるが、その委託製造を受けているところから直に買うのに近い形で買えれば、海外メーカのいろいろと利益を載せた状態の元の製品よりも品質が良い製品がより安価に買えることもある・・・かなぁと、そんな思惑です。


何か新しい技術が登場した当初はメーカごとの技術差も大きいけど、徐々に技術が一般化してくると、組み立て技術があればそこそこのものを作れるようになってくる(はず)。
もちろん、中国生産と言ってもピンキリなのはよくわかっており、海外メーカが現地に人員を複数置いて設計や品質や物流の管理までしてるものと、海外メーカの代理製造などをしていない(そういう技術力がない)中国企業が中国側の人材だけで設計から製造まで全て行っているものでは品質は全然違う(超低品質のもある)ので、中国生産だからと言って、すべてダメとかすべて良いとかではない。本当にピンキリ。

ドットサイトも中身の素子や基盤、レンズも仕入れて組み上げても、デザインや使い勝手などソフト面の力が必要な部分では劣ることもあり、サポートなども差が出るから、そこを価格や品質など求めるものを考えてトレードオフすれば、お買い得なものが手に入ることもある(ここ大事。"こともある")。

例えばサポート面の例でいえば、例え中国製造で品質がいまいちだったとしても、今回の例で言えばVortex Opticsが販売しているならライフタイム保証で交換、修理してくれたりするという差があり、これらやブランドが価格にも反映される。

さて、Vector Opticsに話を戻すと、残念ながら中国の大手通販サイトのタオバオなどでも販売はされておらず・・・・これはつまり、中国でも無名で買う人がいない確率が高い。

(※このメモを書いた時にはお店は検索で出てこなかったが、2021年3月現在の検索ではお店が出ていた(https://shop432940059.world.taobao.com/index.htm?spm=2013.1.w5002-23120604377.2.4ebeda83sBase2)。あまり売れてる感じではないけど。まず、IDがお店開いたとき時に自動で振られたままのIDだし。)


海外の有名メーカの高品質品でも、中国国内での需要の問題でタオバオ、京東等中国国内では扱ってない事例は普通にあるが、中国のメーカのもので中国国内で扱ってないということは、経験上、よほど小規模なのか、それとも評価されなくて売れなくて売ってないかなどがあると思うので、その点を考慮すると、上記の結論になってくる。


中国メーカでもタオバオ、天猫でスコープ類を売ってる会社はいくつもあり(品質の話は別)、もしかしたら、Vector Opticsもこれから海外で評価を上げて、中国国内でもどんどん売ることを目指しているのかもしれないけど。

ただ、Aliexpressでは販売してるわけで、ここから資本規模が小規模ではなさそうということもわかる。
昔よりは審査は緩くなってるようだが、Aliexpressで店を持って売るには、(各地方政府や中央政府の権力層にコネがあるか、または)一定の資本金や実績または年間売り上げが最低数十万円以上は無いと店が開けないはずなので、Aliexpressに店があるということは少なくとも、庶民レベルの個人商店ではないはずと推測できる。

元々、中国人は過去の低品質な中国生産品で被った数々の・・・それこそ数々の痛い経験等から国産を嫌ってバカにする傾向が強いけど、それでもコスパが良く品質がそれなりに良ければ買うから、やっぱ売ってないということはそういうことなんだなと判断している(一例で言うと、スマホで言えばXiaomiがそういう路線で始まった。iPhoneなどでも使っている外国企業の良い部品を使って、iPhoneなどを作ってる技術力がある台湾系製造企業で作ることを全面に出して売り始めた。今は有名大手になったけど。)。

中国でも軍や警察でも使うような商品は、例え中国国産であっても技術力を自慢する場合には人民解放軍や人民武装警察部隊に採用されたり、または一部でもその隊員などでの使用実績を暗に売りにしたりもするが(誰かが写真を上げてたりもする)、Vector Optics
については特にそういう情報も見つからず。また、そういう軍や警察などへの強いコネがある会社でもなさそうというのもこれらの情報からわかる。

ただ、軍や警察で使われてないという点については、中国は光学系がまだ弱いのもあって、解放軍や人民武装警察部隊(武警)でさえも海外メーカのスコープ等を使用していることもある感じなので、特にVector Opticsだけがどうということもないですが。

※補足:武警は対テロリスト戦や国境警備で他国のゲリラ等とも実戦もするので、国産やロシア産しばりが比較的強い解放軍と比べても、かなり積極的に海外の最新装備も入れてて、中国の新聞に載る写真や動画からも実際に海外品を使っている例があることがわかる。

というわけで、Vector Opticsに抱いた印象や調べたことは以上。

ちなみに、今のところ各所のコメントによると、ちょっと今回の思惑は外れそうな感じはしている。
海外で商品を買った人のコメントでリコイルが強い銃で撃ち続けるとゼロインがズレるなどのコメントがあったので・・・汗。

 

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余談で、じゃあ中国の解放軍(基本は外向け軍隊)や武警(国内向けの準軍隊)、民警(人民警察、日本の警察相当)は何を使ってるんだろうなーと軽く検索した感じだと、一応、軍用の制式スコープはあるようですが(「95式步枪瞄准镜」など)、解放軍や特警(人民警察のSWAT)等では海外製のスコープを使っていることも結構ある模様。

ちょこっと検索しただけなので、詳しい話は世界中の識者にお任せするとして一例ですけど、
http://archive.fo/wip/lksuw
(1年後に見たら、元記事は削除されてた。(削除されてる元ソースの参考URL http://dy.163.com/v2/article/detail/E39QKAQF053521SQ.html)

に記載があったのは、
Bushnell XPS Elite Tactical (空軍の空挺特殊部隊の「雷神突撃隊」が射撃大会で使用)
SWAROSKI OPTIK Z6i (広東省の警察が使用。倍率を上げるブースターを装着)
SCHMIDT&BENDER PM2 (吉林省長春広東省仏山のSWAT)
KAHLES(機種不明)(解放軍と武警などの二線部隊と警務部隊)
など。ごく一部ですが、こんな情報もあるようです。

以上、余談でした。

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補足:

12番散弾銃とライフルの30-06でのテストをしていると主張してる話について。

当方は30-06は撃ったことがないのでわかりませんが、12番散弾銃に関しては、散弾を撃ったのかスラッグ弾を撃ったのかでだいぶリコイルが違うので、そこらへんはあいまいだなと思っています。

12番でも24グラム9号散弾と狩猟用32グラム・スラッグ弾ではリコイル(撃った時の反動)にはかなり差があります。うまく例えられないのですが、一般的な男性の力で肩から胸のあたりを手のひらで加減して中くらいで叩かれるか、気合を入れて全力で叩かれる+アルファかくらいの差がある感じ?。うまく言えないけど肺の空気がウヘッって抜ける衝撃。

スラッグに関しては当方の場合、リコイルを吸収する自作8mmシリコンパッドを入れないと、きちんと頬付けして依託射撃で撃つ場合、1発ごとに頭にクラクラくるので10発ちょいくらいで撃つのが嫌になります。

立射とか膝射だとリコイルを吸収するように体が動かせるのでもう少しましですが、やはりリコイルを吸収するパッドを付けなくても50~100発単位(2ラウンドから4ラウンド相当)を撃っても体力次第でまだまだ全然いけると思われる24グラム9号散弾とは比較にならず、というくらいの違いはあります(実際は体力より金と時間が尽きるのですが)。